やかんがストーン、モップでスイープ 中国で「なんちゃってカーリング」が人気
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【3月4日 CNS】中国では2015年に北京冬季五輪の開催が決まって以来、「国内のウインタースポーツ参加人数を3億人とする」という目標が掲げられた。昨年10月までの参加人数は3億4600万人に達し、参加率は全国民の24%を超えた。その中でもカーリングはけがの心配もなくプレーがしやすいため人気が高く、あり合わせの道具を使ったカーリングが各地で楽しまれている。
カーリングで投げるストーンは低温環境でも変形しない品質が求められ、国際大会で使用されるストーンは1個1000ドル(約11万5440円)以上。プレーには16個は必要で、高額の費用が普及しづらい一因となっている。
日本の北海道稚内市では、カーリング会場は主に政府の助成金で建設され、使用料金は大人100円、小中学生50円と格安。一方、北京市でカーリングを体験しようとすると、1時間あたり1人約400元(約7301円)が必要だ。
そこで、さまざまに工夫したカーリングが各地に登場。厚く氷が張った池やツルツルした自宅のタイルをアイスリンクの代わりとして、やかんや圧力鍋、フライパンを投げ、モップやほうきでスイープしてプレーを楽しんでいる。
中国内陸部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)では、中学の美術教師と友人たちが水にぬらして凍らせたキュウリやバナナ、プラスチックチューブをストーンに見立て、凍った湖の上でプレー。内モンゴル自治区(Inner Mongolia Autonomous Region)では、山腹のため池から氷をチェーンソーで切り出し、角を削った「氷のストーン」を使用。インターネット上で「これぞ本物のアイス・カーリングだ」と称賛された。
北京市内の八一湖で手製のカーリングをしていた市民は「最近は暖かくなって氷が溶けてきて、カーリングができなくなったけど、年末に湖が凍ったらまた遊びたい」と心待ちにしている。(c)CNS/JCM/AFPBB News