【10月10日 AFP】9日に行われた22F1第18戦日本GP(Japan Grand Prix 2022)決勝で、アルファタウリ(AlphaTauri)のピエール・ガスリー(Pierre Gasly)がコース上で重機とニアミスしたことに対して、ドライバーたちが怒りを見せている。

 大雨の中で始まったレースは、1周目から混乱した展開になり、フェラーリ(Ferrari)のカルロス・サインツ・ジュニア(Carlos Sainz Jr.)がクラッシュ。マシンを撤去するために重機が出動していた。

 会場の鈴鹿サーキット(Suzuka Circuit)では2014年、ジュール・ビアンキ(Jules Bianchi)選手が似た状況で重機に衝突し、後に命を落とす事故が起こっている。ガスリーは、重機にぶつかっていれば「今ごろ死んでいた」と話し、「受け入れられない」出来事だと呼んだ。

 ガスリーは「僕らは8年前に同じ条件で、グラベルのクレーンとぶつかってジュールを失った」と発言。「あれから8年がたって、同じ条件で、どうしてクレーンがいるのか理解できない。しかもグラベルじゃなく、コース上にだ」とすると、「ジュールと彼の家族、彼が愛した人、僕ら全員を尊重していない」と続けた。

 ガスリーは、サインツのクラッシュで外れた広告看板がフロント部分に引っかかったため、ピットインして看板を外し、セーフティーカーの先導で走っている集団に追いつこうとしていたところだった。大雨のレースは3周目に赤旗が振られ、ガスリーには赤旗状況下での速度制限を超えていたという判断が下された。主催者は、コース上に「マーシャルがいる、あるいは障害物がある可能性」をガスリーが理解し、「スピードを出しすぎたと認めている」としている。

 しかし、この件に対しては他のドライバーも怒り、ガスリーが事故に遭わなかったのは幸運だと話している。

 2位となったレッドブル(Red Bull)のセルヒオ・ペレス(Sergio Perez)は、「どんな状況でも、マシンがコースにいるのにクレーンを出しちゃいけない」とコメント。優勝した同僚のマックス・フェルスタッペン(Max Verstappen)は「どんなスピードでも」重機に衝突するのは危険だと語った。

 F1を統括する国際自動車連盟(FIA)は、通常の手順に従ったと説明する一方で、選手から聞き取りを行った上で「徹底的な見直し」を実施すると誓った。(c)AFP/Andrew MCKIRDY