【11月29日 CNS】2023年度の中国の大学院修士課程の受験申し込みが締め切られた。数百万人もの受験者がこの試験に参加するが、意外にも「名門でない大学院」が注目されている。

 これまで主流だった名門校ブームに逆行する現象であり、この「逆行する大学院入試」現象は、中国国内で熱い議論を呼んでいる。逆行現象に批判的な人たちは、受験生にとって人生の「汚点」になるのではないかと考える。一方、肯定的な人たちは「名門校」から「好きな学科」へと人気が移り変わったと説明する。

 熱い論争の中で、受験生たちはどのような考え方で「逆行」しているのか? 名門校を卒業して「名門ではない」大学院への「逆行」に成功した10人以上の学生にインタビューした中国メディアによると、彼ら、彼女たちは大きく二つのカテゴリーに分けられる。

 一つ目は、自分が名門校の大学院には合格できないと考え、合格できそうな大学を志望する「能動的格下げ」。二つ目は、志願した大学に入学できず、強制的に志望校以外の名門ではない大学に「逆行」させられたカテゴリーだ。

 学生が「逆行」する理由は数多くある。理由の大半は、彼ら、彼女たちの自主的な選択だ。一部の受験生は大都市に進学することを切望している。名門校のブランドには執着せず、就職に有利な専門知識が学べる大学院を選択する人もいる。大学院入試で何度も失敗し、心身ともに疲れ果て、自分の学力で入れる大学院に行くことを選んだ人もいた。

 名門大学の卒業生が大学院入試で「逆行する」理由は、何より試験に合格するためだが、それに加えて、学部での教育に対する不満や、大学院入試で何度も失敗したことによるストレスの影響もあるようだ。

 名門大学を卒業したプライドが、進路選択で心理的な負担になっていることもある。彼ら、彼女たちは自意識やプライドと折り合いを付けなければならない。「逆行する」大学院入試に踏み切ることで、入試の泥沼から抜け出せる場合もあるのだ。

「一度『逆行』したとしても、人生がこれで終わってしまうわけではない」 というのは、ある「逆行」に成功した学生の感想だ。(c)CNS-澎湃新聞/JCM/AFPBB News