【12月27日 People’s Daily】1978年に湖北省(Hubei)随州市(Suizhou)擂鼓墩の曾侯乙墓から出土した曽侯乙編鐘は、湖北省博物館の宝であり、現在中国で数が最も多く、重量が最も重く、音律が最も充実し、音域が最も広く、保存状態が最も良く、最も精巧に作られた編鐘セットで、戦国時代の青銅楽器の頂点に立つものでもある。さらに貴重なのは、編鐘の本体、台、部材に3755字の銘文が刻まれており、楽律学に関する豊かで完全な知識が含まれていることだ。

 現在では、展示品を見たり、解説を聞いたりするだけでなく、来場者は編鐘の要素を組み込んだ文化クリエーティブグッズを持ち帰り、デジタルホログラフィー技術を利用して編鐘を「鳴ら」したり、編鐘楽団の伝統音楽と舞踊を鑑賞することもできる。2400年以上の歴史を経て、曽侯乙編鐘は現代の生活の中で新たな輝きを放っている。

「曽侯乙編鐘は中国の礼儀・音楽文明の代表であり、当館の文化クリエーティブの特色あるブランドをつくるために最も価値のあるIPを提供した」と、湖北省博物館マーケティング部主任、編鐘楽団副団長の王亮(Wang Liang)さんは述べた。彼によると、同館は1990年代から編鐘の文化クリエーティブ商品の開発を始めた。当初はオリジナルサイズや縮小版の編鐘を再現し、国内外市場で人気を博した。その後発売した編鐘の要素を取り入れた文具や日用品も好評を博したという。

 デジタル技術の導入は、編鐘に命を吹き込んだ。湖北省博物館総合館ホールの体験コーナーでは、ホログラフィー技術を活用し、観客は手を動かすだけで、曽侯乙編鐘を「鳴らす」ことができる。VRグラスをかけ、VRコントローラーを手にすれば、システムの促成でミュージシャンとして演奏し、文化財と身近に触れ合う魅力を感じることもできる。2022年の春節前の大みそかには、同館は中央広播電視総台(CMG)などと共同で、ニューメディア・インタラクティブプログラムを発表した。ユーザーはミニプログラムとHTML5を通じ、スマートフォンで曽侯乙編鐘を「鳴らす」ことができる。

 また、編鐘楽団は、サックスや、ピアノ、古琴など、異なる楽器とのコラボレーションや革新的な融合も積極的に試みている。2022年6月には、湖北省博物館が武漢琴台ピアノ博物館と共同で、編鐘とピアノが同じステージで共演するコンサート「鐘・琴」を、9月には、重慶中国三峡博物館と共同で、編鐘と古琴が共演するオンラインコンサート「一見鐘・琴」を開催した。編鐘の音楽と舞踊に新たな息吹がもたらされた。(c)People’s Daily/AFPBB News