【3月23日 People’s Daily】2月6日に中国の海外団体旅行の試験運用が再開されてからわずか2週間、中国の海外旅行は急速に増加している。

 太平洋アジア観光協会(PATA)によると、今後2カ月以内にタイは50万人の中国人観光客を迎えることが予想される。中国からの観光客を通じ、世界は中国の経済活力や潜在力を見ることができ、世界の観光市場の回復への自信を奮い立たせる。

 少し前、中国とモルディブの査証相互免除協定が正式に発効した。中国オンライン旅行プラットフォームの「フリギー(Fliggy.com)」のデータによると、発表後、モルディブへの航空券の検索数が一時的に10倍近く増加した。同様に、中国最大手のオンライン旅行会社の携程(Ctrip、シートリップ)のプラットフォーム上で、モルディブを目的地とするページビュー数(PV数)は30分間で200%増加した。

 モルディブ観光大臣のアブドゥラ・マウスーム氏は、今年、モルディブは180万人の外国人観光客を迎える計画だったが、中国人観光客が来ることで、少なくとも10%の上乗せが期待される」と述べている。

 また、政策の恩恵に加え、国際線の増便も海外旅行の過熱に寄与している。中国民用航空局(CAAC)運輸司副司長である商可佳(Shang Kejia)氏は最近の記者会見で、中国が58カ国と旅客便の定期航空便を再開したと発表し、次シーズンでは国際便数のさらなる増加が期待されると述べた。プノンペン、バンコク、シドニー、クアラルンプールなどの都市が、中国人旅行客に最も人気のある海外旅行先となっている。航空便の運航情報アプリ「航旅縦横(Umetrip.com)」の業界発展総監督である趙楠(Zhao Nan)氏は、通年見通しでは、中国の出国旅客数は、パスポートの更新手続きを完了する人の増加とともに、複数の「小さなピーク」を迎えることが予想されると述べている。 

 新型コロナ危機前、中国は何年も連続で世界最大の海外渡航旅行源であり、中国人観光客は世界最大の海外旅行消費群を形成していた。多くの国の観光業者が中国人観光客の復帰を期待しており、それは共通の願いとなっている。 

 「中国の海外旅行の再開は、世界特にアジア太平洋地域の自信を奮い立たせる上で極めて重要であり、多くの国々に中国の海外旅行の発展がもたらす恩恵を共有するよう歓迎する」。中国旅行研究院の戴斌(Dai Bin)院長は、中国の観光客の要望は、安全性に注目する一方で、新型コロナ危機前と比べて体験と品質を好むように変化していると述べた。

 多くの国の観光局は、この変化に注意を払い、中国の旅行者を対象とした新しい取り組みを積極的に推進している。

 将来、中国市民の海外旅行の目的地はますます増え、世界の観光業により多くの力を注入することが期待される。(c)People’s Daily/AFPBB News