中国、先端技術で農水産品の選抜育種を推進
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【4月11日 Xinhua News】中国はここ数年、種子産業の振興モデルを模索しており、大学や研究所などとの協力を通じた産学研(企業・大学・研究機関)連携、育種・繁殖・普及の一体化を推進している。天津市でこのほど開かれた第14回中国国際種業博覧会では、中国工程院院士(アカデミー会員)の趙春江(Zhao Chunjiang)氏などの専門家や学者が、中国では今後、スマート技術主導の育種方式が種子産業の発展・振興の鍵になるとの見方を示した。
理想的な草型を得るための方法はこれまで、目視や物差しでの測定が中心だったが、ここ数年は分子設計技術の育種への応用により、多くの作物の遺伝子で分子マーカー方式による補助的選択が可能になった。成長前に将来の様子が分かるようになり、1枚の葉から優良な性質をつかさどる遺伝子型を把握し、将来の草型を予測できるようになった。
中国は現在、分子育種分野でモジュール設計などの技術を模索しており、実際に成果を上げている。中国水産科学研究院淡水漁業研究センターの董在傑(Dong Zaijie)研究員は「中国科学院の研究チームはこのところ、小骨のないフナの研究を盛んに進めている。ゲノム編集技術により小骨発育遺伝子をノックアウトし、優良品種を育成している」と説明。遺伝子育種技術が進化すれば多くの優良種が生み出され、中国、さらには世界の食卓を豊かにすると語った。
動植物の種の進化においては、遺伝資源の改良技術の進化とともに、より多くの遺伝資源をいかに効率よく育種体系に組み入れるかが重要になる。中国が収集・保存する遺伝資源の総数は50万点を超えるが、育種への導入の割合は現時点で高くない。人工知能(AI)など新技術の応用は、この局面を改善すると見込まれる。(c)Xinhua News/AFPBB News