中国・長江デルタの技術革新は飛躍できるか
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【5月16日 CNS】上海市の浦東新区(Pudong New Area)は上海と中国の「窓」であり、世界の「窓」でもある。中でも、上海張江科学城に本部を置く長江デルタ国家技術革新センター(National Innovation Center Par Excellence)は、世界が長江デルタの科学技術の変容を観察するための優れた「窓」だろう。
長江デルタ国家技術革新センターは、科学技術部が承認した国家的な技術革新の総合的なプラットフォームとして、2021年6月に発足。長江デルタ地域の科学技術システム改革の「実験場」になっている。5月現在、センターは上海と江蘇省(Jiangsu)に92の専門研究機関を設置し、1万5000人以上の研究開発人員を抱えている。その分野は、新世代情報技術、新材料、設備製造、生物医学、エネルギー、環境保護などをカバーしており、2万社以上の企業にサービスを提供している。うち、310社とは「共同イノベーションセンター」を設立しており、契約金額は約14億元(約273億円)に達している。
また、センターは海外の大学など78組織と戦略的協力関係を構築し、中国企業をマッチングさせて技術ニーズを解決している。
この実験場では、先駆的な技術プロジェクトを支援する新たな手法など、多くの革新的な戦略が実践されている。リスクが高く、マーケットでは判断できないような新しい産業や分野にも投資しており、多くの新しい科学技術革新が花を咲かせ、実を結んでいる。
同センターの譚瑞琮(Tan Ruicong)副所長は「長江デルタの総合的な開発において上海は主役であり、独自の先導的な役割を担ってきた。世界的な科学技術イノベーションセンターとしての上海の優位性をさらに生かし、対外開放をより高いレベルで推進していくことが重要だ」と指摘する。
譚氏はさらに「政府が政策指導を強化し、新たなメカニズムをうまく利用することで、効果的な財政資金投下を実現することができれば、長江デルタ地域の科学技術の資源が円滑に流れるようになるだろう」と話した。(c)CNS-上観新聞/JCM/AFPBB News