デジタル技術が中国の貿易を拡大し質を向上させる
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【6⽉1⽇ Peopleʼs Daily】デジタル技術の発展のおかげで、中国の貿易シーンは広がり続けている。先ごろ開催された第133回広州交易会では、多くの出展者がライブ販売を行った。出展企業の麦祺佳家居は早い時期にインターネット利用を始めた企業だ。創業者の王莉(Wang Li)氏は「弊社は阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)など多くの越境電子商取引(EC)サイトを手掛けており、海外のSNSも積極的に利用しています。オンラインのおかげで、ビジネスの規模は拡大しています」と述べた。
税関総署の孫玉寧(Sun Yuning)副署長によると、2018年には1兆元(約19兆8502億円)だった越境ECによる貿易額は、2022年には2兆1100億元(約41兆8839億円)に達した。
中国の地方政府は貿易の「質の向上」を後押ししている。浙江省(Zhejiang)杭州市(Hangzhou)は次世代型AI革新発展試験区、国家フィンテック革新発展試験区、世界一流の越境ECモデルセンターを積極的に構築している。江蘇省(Jiangsu)は「江蘇省がデジタル貿易の発展加速を推進する若干の措置」により、デジタル貿易部門の「ワンストップ窓口」の開設やデジタル貿易統計体系の構築などを打ち出した。
「5、4、3、2、1」――。カウントダウンが終ると、ルワンダの駐中国大使が紹介した数千キロのコーヒーやスリランカの駐中国大使が売り込んだ紅茶がたちまち完売した。2020年以降、多くの国の駐中国大使や領事、参事官が中国市場向けにECのライブ販売を行うようになった。デジタル技術の力を借りて、ますます多くの外国商品が中国の家庭に進出している。
貿易のモデルチェンジと高度化は中国にだけではなく、世界にチャンスをもたらしている。中国は10か国以上と「デジタルシルクロード」の協力覚書を締結し、20か国以上と「ECシルクロード」の二国間協力メカニズムを構築した。中国と「一帯一路(Belt and Road)」沿線の国や地域とのデジタル貿易協力は深まりつつある。中国は世界最大のデジタル消費市場だ。デジタル経済は中国人の生産と生活の様式を大きく変えただけでなく、世界に新たな視野をもたらした。専門家は、「デジタルシルクロード」は越境ECの発展を促進し、各国のより多元的で柔軟な雇用を後押しするとの見方を示している。
ますます多くの国が中国とのデジタル貿易分野での協力を期待している。上海協力機構(Shanghai Cooperation Organization、SCO)の関係者は、「中国にはECの発展において大きな潜在力がある。越境ECは市場の開放度や包容度をさらに高める。上海協力機構は経験を共有することで、加盟国間の協力、特にECとデジタル経済における協力を強化していきたい」と述べた。(c)Peopleʼs Daily /AFPBB News