【6月25日 AFP】陸上の欧州チーム選手権(2023 European Athletics Team Championships)で24日、砲丸投げ女子のジョリーン・ボムクウォ(Jolien Boumkwo、ベルギー)が、チームの失格を避けるために100メートルハードルに出場する一幕があった。

 ボムクウォは、本来出場するはずだったチームメートが負傷したため、代役として急きょハードラーになることを決意し、トップから20秒近く遅れた32秒81の最下位でフィニッシュした。

 ベルギーには他に出場できるハードル選手がおらず、欠場した場合はチームが失格になっていた。ボムクウォは「私にとって、一番重要なのはチーム」と語った。

 下にはジャージーを着け、ライバルに比べて明らかに大柄なボムクウォは、ハードルを跳ばずにまたがなくてはならなかったが、満面の笑みでゴールし、苦しむチームに貴重なポイントをもたらした。本人は「1ポイントでも失うわけにはいかなかった。それが100メートルハードル出場を考えた理由。落ち着いて臨めば危なくはなかった」と話している。

 国内のハンマー投げ女王でもあるボムクウォは、前日には砲丸投げに出場して7位に入った。大会は全37種目中25種目を終えて25日の最終日を残すのみとなったが、ベルギーは16位と最下位に沈み、2部降格の危機にひんしている。(c)AFP