チェス不正疑惑で1億ドルの賠償訴訟、米裁判所が訴え棄却
発信地:ワシントンD.C./米国
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【6月28日 AFP】チェス選手のハンズ・ニーマン(Hans Niemann、米国)が、自身の不正疑惑を告発した元世界王者のマグヌス・カールセン(Magnus Carlsen、ノルウェー)らに名誉を毀損(きそん)されたとして、1億ドル(約144億円)の損害賠償を求めて訴訟を起こした件で、米ミズーリ州の裁判所は27日、訴えを棄却した。
チェス史上最大のスキャンダルとも言われる問題の発端は、2022年9月5日にミズーリ州セントルイス(St. Louis)で行われた大会でニーマンがカールセンに勝利したことだった。
世界チェス選手権(FIDE World Chess Championship)で通算5度の優勝を誇るカールセンは対局後、20歳の新星ニーマンの不正を訴え、大会を棄権。その後、グランドマスターのヒカル・ナカムラ(Hikaru Nakamura、米国)もカールセンに同調し、チェスの世界的オンラインプラットフォームであるchess.comは、ニーマンが少なくとも100回はオンラインで不正をした可能性があると指摘した。
ニーマンは12〜16歳のときにchess.comで不正をしたと認めたが、その後も続けたことは否定し、自身の実力を証明するために「裸になる」覚悟はできていると主張している。騒動後もニーマンは大会に出場しているが、世界ランキングは落としている。
この問題については、国際チェス連盟(FIDE)も昨年9月に調査を開始している。(c)AFP