【6月29日 AFP】男子テニス元世界ランキング1位のアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は28日、物議を醸しているウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2023)の大会公式ポスターについて、女子の選手が目立たなくされていると指摘し、「大失敗」だと批判した。

 15人の有名選手が階段を下りるイラストのポスターは、まだウィンブルドンで目立った活躍のないヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)とカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)の若手2人が一番手前に描かれ、マレーの長年のライバルであるノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とロジャー・フェデラー(Roger Federer)氏、ラファエル・ナダル(Rafael Nadal、スペイン)の3人が後ろに続く絵になっている。

 女子は計6人が描かれたが、手前から11人目までに含まれたのはクリス・エバート(Chris Evert)氏とマルチナ・ナブラチロワ(Martina Navratilova)氏のみで、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)とヴィーナス・ウィリアムス(Venus Williams、米国)ら他の4人は後ろに配置された。

 これについてマレーは「大失敗だろう? わざわざ詳しく説明する必要もない。ポスターを見れば明らかだ」と話し、男子が手前側に集中したことについて聞かれると「それが少しおかしかった点だ」とコメント。アルカラスとシナーについては「素晴らしい選手」だとしつつも、他の偉大な選手たちが両選手の後ろにいるのは「変」だと指摘し、「個人的にはそこまで気にしていないが」と付け加えた。

 ウィンブルドンで2度の優勝を誇るマレーの姿もなく、ポスターが最初に発表されたときには兄やおじが怒りをあらわにしていたが、本人は自身がいないことは「全く問題ない」と強調した。

 マレーはこの日、英ロンドンのハーリンガム・クラブ(Hurlingham Club)で行われたエキシビションマッチで世界6位のホルガー・ルーネ(Holger Rune、デンマーク)と対戦し、ウィンブルドン本番に向けて最終調整を行った。試合は4-6、4-6で敗れた。(c)AFP