「世界の雑貨の街」、浙江省義烏の商売繁盛にはワケがある
このニュースをシェア
【7⽉2⽇ Peopleʼs Daily】中国・浙江省(Zhejiang)の義烏市(Yiwu)にある雑貨などの卸売市場の国際商貿城では、2023年第1四半期には1日当たりの入場者が20万人で、うち外国人は2000人に達した。これは、新型コロナウイルス感染症が始まる前の水準だ。
国際商貿城が栄える大きな理由は、ビジネス環境のよさだ。例えば、市政府が開設したオンラインサービスを利用すれば、会社登記の手続きは20分もあれば完了する。後は無料で送られてくる営業許可証を待つだけだ。
義烏市では外需の低迷を受け、2022年11月以降に、「売り込み営業団」が7回に渡ってドイツ、英国、米国、日本などに派遣された。320社以上がこの「営業団」に参加し、累計1億元(約20億円)超の受注を獲得した。義烏市税関事務室の楊嬿翔(Yang Yanxiang)副主任によると、2023年1-4月の同市からの輸出額は前年同期比13%増の1476億4000万元(約2兆9415億円)だった。
義烏一米供応鏈管理服務(義烏1メートルサプライチェーン管理サービス)のサンプル展示室では、同じように見えるねじが異なる包装に入れられていて、価格も大きく異なる。同社は海外でのニーズの傾向を分析することで、中国国内の業者がきめ細かい販売戦略を設ける支援をしている。同社の朱蓉芳(Zhu Rongfang)社長は、「このような情報マッチングサービスは、中国側業者の利益を10%引き上げました」と説明した。
質の高い発展には高効率の改革メカニズムが不可欠だ。改革を有効にするためには、企業側の問題点を速やかに把握せねばならない。義烏市政府は定期的に企業を訪問するだけでなく、各企業に専属担当者を1人配置している。企業側が相談をすれば、電話でアドバイスをしてもらえる。
義烏市は外国の業者が多い。そのため、独自の工夫として渉外紛争人民調停委員会(外調委)が設立された。外調委では語学力に優れて貿易に精通し、信用のある外国人をトラブルの調停に参加させ、これまでにトラブル1170件の調停に成功した。関連金額は1億2800万元(約25億5018万円)で、トラブル解決の成功率は96%に達している。
義烏市内の江北下朱電商小鎮では、携帯電話を手にライブ販売をしているチームが目立つ。多くの起業家が夢を追って江北下朱電商小鎮を訪れる。
義烏市はライブ販売を新たな業態として重視し、浙江省初のライブ販売学院を設立し、企業がライブ販売の拠点を設けることを後押ししている。義烏市では今年1-4月、ネットのインフルエンサーがライブ販売を延べ19万5000回行い、売上高は前年同期比24.93%増の139億1150万元(約2772億円)に達し、電子商取引の売上全体では10.74%増の1303億600万元(約2兆5961億円)に達した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News