バレエ経験も武器にウィンブルドンへ 初出場に意気込むホインスキー
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【7月2日 AFP】ドイツ生まれの英国のテニス選手、ヤン・ホインスキー(Jan Choinski)は、3日に始まるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2023)で大会初出場を果たす。目指すのはバレエダンサーとして培ったスキルを武器に、2回戦に進出することだ。
現在27歳のホインスキーは、変わった道のりを経てウィンブルドンにたどりついた選手だ。両親はどちらも元プロのバレエダンサー。母親は英ロイヤル・バレエ団(The Royal Ballet)に所属した後、就職先のドイツで同じくプロダンサーでポーランド人の父親と出会った。
風光明媚(めいび)なコブレンツ(Koblenz)で育ち、現在もドイツに住むホインスキーは、「12歳まで両親のバレエスクールで踊っていた」と明かし、「だけど、プロのバレエダンサーになるつもりはなかった。テニスのために自分を鍛える一つの手段だった」と話す。英国に住んだことは一度もないが、母親のおかげで市民権があり、2018年に選手登録を英国に変更した。
その後はけがにも悩まされてなかなか結果を残せなかったが、自己最高の世界ランキング167位に到達したことで、今年のウィンブルドンのワイルドカード(主催者推薦)を手に入れた。
「自分にとってはまったく未知の体験で、どれだけ感謝してもし切れない」と話すホインスキーだが、1回戦では世界52位のドゥサン・ラヨビッチ(Dusan Lajovic、セルビア)という厳しい相手を引き当てた。4月には同胞のノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic)を破ってツアータイトルを獲得している難敵だ。
それでもホインスキーは、「英国人の母を持ち、母が一番長く過ごした国の大会に出場して、ここに連れてくることもできた。それがすごくありがたい」と話し、「祖父が2年前に亡くなってからは、英国に住んでいる家族は多くないが、2週目に残って準々決勝に勝ち上がれば、応援も増えるかもしれない」と意気込んでいる。(c)AFP