「天問1号」火星ミッションチーム、風の場の変化を示す証拠発見
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【7月24日 Xinhua News】中国科学院国家天文台はこのほど、同天文台がリードする国際共同研究チームと火星探査機「天問1号(Tianwen-1)」のミッションチームが、火星探査車「祝融(Zhurong)」の着陸エリアで、風の場の変化を表す堆積シーケンス上の証拠を発見したと明らかにした。これは、過去に火星が風向きの変化に象徴される二つの主な気候段階を経た可能性があることを示しているという。関連成果は英学術誌「ネイチャー」に掲載された。
太陽系の惑星の中で、地球に最もよく似ている火星の現状は「地球の未来」を示す可能性があるとされ、火星の気候変動の調査・研究は長期にわたり注目されてきた。火星の後期アマゾン紀以降の最も主要な地質営力である砂と風の相互作用は、火星表面に広く分布する風成地形を形成したが、これまで近距離での詳細で体系的な科学観測が不足しているため、火星の風と砂の活動プロセスについてはいまだほとんど解明されていない。
共同研究チームは、火星のユートピア平原南部の豊富な風成地形に照準を絞り、「天問1号」周回機の高分解能カメラ、祝融号の地形カメラなどを利用し、高分解能リモートセンシングや近距離・原位置の共同探査を行った。砂丘の形態、表面構造、物質成分などの情報を集め、それが示す風向きと形成期を分析し、祝融号の着陸エリアの風の場で顕著な変化が起きたことを示すシーケンス上の証拠を発見し、同時に火星の高緯度に分布するクリオコナイト層の記録と高い一致性を示すことを確認した。
中国科学院国家天文台の李華来(Li Hualai)研究員は次のように説明する。今回の発見は、祝融号の着陸エリアが風向の変化に象徴される二つの主な気候段階を経た可能性があり、風向きが北東から北西へと70度近く変化し、風成堆積がバルハン砂丘から縦砂丘へ変わったことを示している。この気候の変化は約40万年前の火星最終氷期の終了時に起きており、火星の自転軸の傾斜角の変化により起きた可能性がある。(c)Xinhua News/AFPBB News