【8月25日 Xinhua News】中国青海省(Qinghai)で19日、長江源流エリアの氷河、凍土、水文などの生態系の変化を調べる長江源雪氷圏水文・生態環境総合科学調査が始まった。中国科学院西北生態環境資源研究院が主導し、中国科学院青蔵高原研究所などの機関が参加する。

 調査責任者の何暁波(He Xiaobo)氏は「青蔵高原の気温が急速に上昇する中、長江源流エリアでは氷河・凍土の縮小と後退が加速し、水源涵養(かんよう)の機能が弱まり、生態環境は引き続き脆弱化している」と指摘する。氷河や凍土などの雪氷圏の要素の変化は、長江源流エリアの水源涵養機能と高冷地の植生の生態系に直接影響を与えるという。

 モニタリングの結果によると、長江源流エリアは86%以上が多年凍土に覆われ、1200平方キロを超える氷河が形成されている。雪氷圏の要素が集中する中国有数の地域であり、青蔵高原の重要な水源涵養地でもある。

 調査ではこれまでのデータも踏まえ、水源涵養能力や植生の生態系に対する長江源流エリアの氷河や凍土などの影響を明らかにし、水資源の安全保障と生態系の保全・修復に向け、基本となるデータの提供を図る。(c)Xinhua News/AFPBB News