【10月16日 AFP】国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は15日、イスラエルとイスラム組織ハマス(Hamas)との衝突により、中東地域は「奈落の淵に立たされている」と警告した。

 グテレス氏は声明で「ガザ地区では水、電気、その他の必要物資が不足している」と述べ、エジプト、ヨルダン、パレスチナ自治区ヨルダン川西岸(West Bank)、イスラエルにある食料や水、医薬品や燃料などの備蓄は「数時間以内に手配ことができる」とした。

 その上で、イスラエルに対しては、職員が「これら物資をガザ地区に安全に運び込むことができるよう、障害などがあってはならない」と念を押した。一方のハマスに対しては、人質を無条件で即時解放するよう求めた。

 これらの呼びかけについてグテレス氏は、「交渉に用いられるべきではなく、正しい行動なので実行されなければならない」とし、「中東が奈落の淵に立たされている中」で、双方への呼びかけは自身の責務と述べた。

 イスラエルはガザ地区への水や電気、食料の供給を遮断しているが、ガザ南部へ水の供給は15日に再開した。地区の避難民が約100万人に上る中、支援団体は人道的災害を懸念している。

 7日の越境攻撃以降、ハマスにより連れ去られたイスラエル人は155人に上っている。イスラエル軍が15日、確認した。(c)AFP