【10月19日 AFP】ブラジル軍は18日、基地の兵器庫から機関銃21丁が盗まれたのを受け、兵士約160人を基地に拘束し調査中だと発表した。盗まれた中には航空機を撃墜できる重機関銃も含まれているという。

 被害に遭ったのは、サンパウロ(Sao Paulo)近郊のバルエリ(Barueri)にある基地。今月10日、50口径重機関銃13丁と7.62ミリ機関銃8丁の計21丁がなくなった。

 ブラジルでは重武装した麻薬組織と治安部隊の衝突が日常茶飯事で、当局は盗まれた武器が犯罪組織の手に渡ることを懸念している。

 ブラジルの治安監視NGO「ソウ・ダ・パス(Sou da Paz)」によると、今回の事件はブラジル軍からの武器盗難としては過去最大規模。

 50口径重機関銃は銃身長1メートル以上、重量58キロで、航空機も撃墜可能。非軍事的利用はブラジルで違法とされている。

 また戦闘用に設計された7.62ミリ機関銃は重量約4.5キロ。1分間に最大700発を発射できる。

 内部調査を開始したブラジル軍は当初、基地に勤務する480人全員に対し、尋問を行うため1週間の外出禁止を命じた。

 軍南東部司令部は18日、警戒レベルを引き下げたと発表。ただし兵士約160人は依然、外出禁止となっているとAFPの取材にメールで回答した。

 軍によると、盗まれた機関銃は「使用不可能」な状態で、修理または処分するために兵器庫に保管されていた。

 サンパウロ州安全保障局のギリェルメ・デリテ(Guilherme Derrite)長官は先週、これらの武器が犯罪組織に渡った場合、「大惨事」をもたらす可能性があると警告していた。(c)AFP