【10月31日 AFP】世界銀行(World Bank)は30日公表した報告で、イスラエルと、パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)を実効支配するイスラム組織ハマス(Hamas)との戦闘が中東全域を巻き込む形にエスカレートすれば、原油供給が阻害され価格は1バレル=157ドルにまで高騰する恐れがあると警告した。

 原油価格はイスラエル軍とハマスの戦闘激化を受け、一時6%近く急騰する場面も見られた。世銀のインダーミット・ギル(Indermit Gill)上級副総裁兼主任エコノミストは、商品市場はロシアによるウクライナ侵攻の影響にすでにさらされていることもあり、それに加えて中東情勢も悪化すれば「1970年代以来最大のショックがもたらされる」可能性があると指摘した。

 報告書は原油価格について、最悪の場合は140~157ドルと、2008年以来の高値にまで高騰する可能性があると予想。楽観シナリオの下では93~102ドル、中間シナリオの場合は109~121ドルとの見通しを示している。(c)AFP