【1月14日 CGTN Japanese】中国航天科技集団によると、同集団が開発した壁画の消毒殺菌ができるロボットがこのほど、中国第1回文化財保護技術設備応用展で公開されました。

 同ロボットは高エネルギー電子ビーム照射消毒殺菌装置を搭載する移動可能な機器です。それぞれの消毒殺菌をする場所を柔軟に行き来してロボットアームの末端の上下位置と角度を調整し、文化財の安全を守る前提下で、壁画の全面的な消毒殺菌を行います。有害微生物の逃げ場はなくなるとのことです。

 壁画は石窟壁画、墳墓壁画、宗教施設の壁画に大別されます。墳墓壁画は長年にわたり地中深くにあったために内部が高湿度で、大量の微生物が繁殖して壁画の劣化を加速させる上に、墓室の空間は比較的狭いため、清掃と保護の際に不注意で壁画に二次的被害を与える恐れが高く、保護は極めて困難です。

 敦煌研究院は2020年、国家重点プロジェクトの一つとして「墳墓壁画原位置保護の鍵となる技術の研究」に着手しました。要請を受けた中国航天科技集団は、高エネルギー電子ビーム照射消毒殺菌装置を搭載できる移動式の消毒殺菌機器の研究を請け負いました。開発チームは壁画本体のぜい弱さや墓室の通路の狭さ、ドームの構造の複雑さ、地下の湿度の高さ、床面の凹凸といった応用環境の難問を克服して、移動可能ロボット機器の開発技術の文化財保護やスマート検知および消毒殺菌分野での応用の拡張などを実現しました。(c)CGTN Japanese/AFPBB News