様相が一変、「小さな小包」に凝縮された中国の活力
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【3⽉5⽇ Peopleʼs Daily】李幸英(Li xingying)さんの実家は中国・雲南省(Yunnan)の高黎貢山(Gaoligong Mountain)の奥深くにある。李さんはかつて、怒江リス族自治州(Nujiang Lisu Autonomous Prefecture)の州都の高校の寮で暮らしていた。両親が彼女に荷物を送る際には、20キロの山道をバイクで1時間以上かけて郵便局まで行った。李さんに届くまでには、同じ州内なのに最短でも2日かかった。
今では様相が一変した。李さんの家では最近、年越し用品を買った。発送地点は浙江省(Zhejiang)内だ。しかし2000キロ以上離れた場所からの荷物が、4日足らずで到着した。李さんの母は「今は便利だ。スマホで注文して、外に出て数歩歩けば荷物を受け取れる」と喜んだ。
国家郵政局によると、2023年の中国の宅配便業務量は前年比19.4%増の1320億7000万件に達し、10年連続で世界最多だった。小さな小包の一つ一つが、多くの家庭やさまざまな業種をつなぐことで中国に活力をもたらしている。
輸入されたロブスターは、水揚げから最短48時間で市民の食卓に上る。コールドチェーン物流により、各種の果物、野菜、水産物が鮮度を保ったまま届く。物流業は生産と消費を結び、商品市場を繁栄させている。
流通効率と生産効率は国民経済の全体的な運営効率を高めるためにいずれも不可欠だ。十数年前までは、物流に時間がかかり、指定時間までに届けることが困難で、料金も高かった。すなわち物流が経済発展の足を引っ張っていた。しかし問題があるからこそ変革が生み出される。電子伝票を登場させ、自動化仕分けを導入し、スマート物流システムを構築した。都市でも農村部でも交通インフラが絶えず整備された。情報化やデジタル化の恩恵を絶えず享受した。その結果、物流業は「中国のスピード」と「中国の効率」を誇示するに至った。
物流の進化は常に、経済地図の再構築を力強く推進してきた。今日の中国の物流業は、宅配便の取り扱い件数が「年平均100億件」から「月平均100億件」への飛躍を遂げた。中国という超大規模市場の強みが物流業の発展に広大な余地とチャンスを提供している。そして物流は中国国内だけでなく、中国内外を結び付ける強く重要な役割も担っている。
開放の程度が高く、遠くまで「手が届く」ほど、発展は力強くなる。現在では、注文してから5日間もせずに、海外からの品が届く場合がある。逆に、あるスペイン人は中国からの宅配便の到着の早さに驚いたという。税関の推計によれば、2023年、中国の越境ECの貿易総額は前年比15.6%増の2兆3800億元(約49兆7000億円)に達した。「全世界との商品流通」の効率が日に日に向上している。このことは中国経済にとっても新たなチャンスをもたらしている。より完備された現代的な流通システムが、より活力に富み、より強靭(きょうじん)な中国経済を支え、同時に世界全体に新たな発展のチャンスをもたらし続けている。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News