中国と欧州のグリーン協力、潜在力は前途洋々
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【3⽉14⽇ Peopleʼs Daily】中国と欧州が環境問題で政策の協調と対話を強化し、情報交換と協力を促進することは、世界の持続可能な発展を促進する上で有益だ。
ギリシャ北東部のトラキア地方(Thrace)の風力発電所では、起伏の続く山の斜面に風力発電機が連なっている。この発電所を建設し運営を手がけるのは、中国の国家能源投資集団傘下の国華投資欧州新エネルギーだ。2020年に稼働して以来、発電量は累計6億3200万キロワット時に達し、二酸化炭素排出量が約63万100トン削減された。その発電能力は、現地の3万世帯の電力需要を満たすという。
中国と欧州連合(EU)は近年、エネルギー協力プラットフォームの構築やクリーンエネルギー技術と経験の共有などを通じて、グリーンエネルギー、グリーンスマート製造、グリーンサービスなど多くの分野で協力を展開している。2019年の中国と欧州のグリーン商品貿易額は560億3800万ドル(約8兆4100億円)で、2000年の15倍に達した。国際エネルギー機関(IEA)によると、2022年の欧州の風力発電量の約46パーセントに中国製品が貢献している。
中国人民大学(Renmin University of China)EU研究センターの王義桅(Wang Yiwei)主任は、「欧州は気候変動への対応、グリーン発展の推進で世界の先頭を走っており、豊富な実践経験と産業技術の資源があります。中国とEUには関連分野で共通の目標と協力の基盤があります」と述べた。
商務部国際貿易経済協力研究院欧州所の姚鈴(Yao Ling)所長は、「EUの炭素市場はスタートが早く、すでに第4段階に入っています。中国は良い経験とやり方を参考にすることができます」と述べた。さらに中国と欧州は、例えば国連気候変動会議や生物多様性会議などの国際的な場で協調を強化することで気候対策についての世界の共通認識を強化し、世界のグリーンモデル転換とその発展に貢献することができる。
電気自動車(EV)の分野でも、中欧の産業補完が期待されている。中国はEUにとって英国と米国に次ぐ第3位の自動車輸出市場だ。中国で活動するEU系企業の団体であるEU中国商会によると、EV乗用車の分野で2022年のEUから中国への輸出額は前年比151パーセントだった。一方で、ドイツのアウディ(Audi)が吉林省(Jilin)長春市(Changchun)で、同社として中国初のEVの生産基地の建設を手がけるなどの状況がある。
姚所長は「反補助金調査などの論争に直面しているにもかかわらず、中国と欧州の企業はEV分野で一貫して緊密に協力しています。中欧のグリーン協力が双方の期待に合致していることの反映です」と指摘した。
王主任は、クリーンエネルギー生産、グリーン金融およびグリーン産業のデジタル化、スマート化などの面で中欧はいずれも協力を拡大することができると述べ、双方は戦略的意思疎通と協調を引き続き強化し、相互信頼を増進し、協力に焦点を当て、干渉を克服し、グリーンパートナーシップを着実に強化していくべきと主張した。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News