【3月22日 CNS】日本の有名な漫画家、鳥山明(Akira Toriyama)氏が3月1日に急性硬膜下血腫により亡くなり、中国のネットユーザーから大きな注目を集めた。鳥山氏が創作した「ドラゴンボール(DRAGON BALL)」や「Dr.スランプ(DR. SLUMP)」などの作品は、中国で広く受け入れられ、多くの人々にとってかけがえのない子供時代の思い出となっている。

 3月8日に、鳥山氏の事務所バード・スタジオ(Bird Studio)が訃報を発表した。このニュースが中国に伝わると、「鳥山明氏死去」というトピックが瞬く間に中国のSNSのトップ検索ワードになった。SNS上では、無数の追悼の声が上がり、ファンたちは「ドラゴンボール」にまつわる思い出を語り合った。

「ドラゴンボール」は1980年代から1990年代にかけて連載され、中国の「70後(1970年代生まれ)」、「80後(1980年代生まれ)」、「90後(1990年代生まれ)」の世代に広く知られている。かつてこの漫画に夢中だった子供たちは今や大人へと成長し、親となった彼らは自分の子供たちと一緒に「ドラゴンボール」を読んでいる。

 鳥山氏は、中国の古典的な名作「西遊記」を参考に、「ドラゴンボール」を創作した。亀仙人のキャラクターは、映画『醉拳(邦題:ドランクモンキー 酔拳)』での中国の映画スター、ジャッキー・チェン(Jackie Chan)氏のイメージからインスピレーションを得ている。鳥山氏は取材で「『酔拳』がなければ『ドラゴンボール』は生まれなかった」とさえ述べている。この縁から、ジャッキー・チェン氏は鳥山氏の訃報が発表された後、すぐに二人の集合写真を投稿して故人を追悼した。

「ドラゴンボール」には、非常に明確な中国の要素が含まれており、逆に、中国の作品にも影響を与えている。例えば、有名な監督、周星馳(チャウ・シンチ―、Stephen Chow)氏の映画『唐伯虎点秋香(邦題:詩人の大冒険)』では、「かめはめ波」が取り入れられている。周監督はSNSで追悼のメッセージを投稿する際に、鳥山氏が彼の映画『西游‧降魔篇(邦題:西遊記〜はじまりのはじまり〜)』のために描いた孫悟空のポスターを選んだ。

 この追悼の表明は、民間レベルにとどまらず、中国政府からもなされた。中国外交部の定例記者会見で、毛寧(Mao Ning)報道官は、中国側は鳥山明氏の死去に深い哀悼の意を表する。鳥山氏のご家族に心よりお見舞いを申し上げる。鳥山氏は有名な漫画家であり、その作品は中国でも非常に人気がある。「多くの中国のネットユーザーも鳥山氏の死去に哀悼の意を表していることに私は注目している。日本のより多くの有識者がこれから中日文化交流と両国間の友好事業に積極的に関わることを期待し、確信もしている」と述べている。(c)CNS/JCM/AFPBB News