【4⽉5⽇ Peopleʼs Daily】中国の2023年1-11月のオンライン小売売上高は前年同期比11%増の13兆9571億元(約289兆円)だった。デジタル消費は中国の内需拡大、安定成長、モデルチェンジ促進の重要な駆動力になりつつある。

 北京市(Beijing)に住む許傑(Xu jie)さんは、自宅で携帯電話を操作して1000キロ以上離れた甘粛省(Gansu)慶陽市(Qingyang)環県(Huan)の畜産基地の様子を見た。許さんは「羊小屋はとても清潔で、羊は生き生きしていました。自分の目で見て、羊肉の品質は間違いないと感じました」と話した。

 環県で羊肉のネット販売を始めた劉国寧(Liu Guoning)さんは「忙しいです。常連さんが多くて1日に120頭分ぐらいを売っています」と説明した。村の他の農家の羊も扱っており、収入は増えたという。

 農村部でデジタル情報インフラとEC物流システムが整備されたことで、知名度が低かったシイタケ、地鶏の卵、肉類などの各地の特産品が、全国に売られるようになった。

 共同購入プラットフォームの運営などを手がける拼多多(Pinduoduo)の張超(Zhang Chao)業務マネージャーは、「農産物流通や供給段階へのデジタル技術の応用を積極的に進めています。コールドチェーン物流システムなどの構築に力を入れ、生鮮農産物の48時間以内の出荷などを進めています。現在では1000か所を超える農産地とつながっており、1600万以上の農家のデジタル経済参加をけん引しています」と述べた。

 中国国際電子商取引センターの李鳴涛(Li Mingtao)氏は、消費者向けECについて「消費者は商品の選択肢が増えたことで、購入の主導権を持つようになりました」と説明した。

 林青(Lin Qing)さんは「人物デジタル写真館」が作成した自分の人物像を受け取った。注文手続きを開始してから約30分後だった。ストリートバスケット、情熱的なスキー、クールなストリートダンスなど林さんの夢が実現した。林さんは「パラレルワールドの別の自分に出会ったようで面白いです」と話した。

 デジタルパーソナリティーが天気予報を伝え、大きな会議ではゲストのデジタル分身が壇上に上がり、ライブ会場ではデジタルキャスターが24時間を通してライブ配信をする。ショート動画ではデジタル人物が人生の知恵を伝える。2023年には人工知能(AI)が作るデジタル人物が急増した。AIはさまざまな分野に入り込み、人々の生活や働き方を変えつつある。

 南京大学(Nanjing University)デジタル経済・管理学院の任保平(Ren Baoping)特任教授は、「インターネットやクラウドコンピューティング、AIなどの新技術の応用により、デジタル技術は人々の生活ニーズを満たし、消費の潜在力を解放し、消費成長の新たな空間と経済発展の新たな駆動力になりました。オーダーメード消費、スマート消費、体験消費などの新興消費分野の開拓が加速し、健康、養老、医療、文化、教育、安全などについての供給が増えると期待しています」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News