汝矣島船着場の鳥瞰図=ソウル市提供(c)NEWSIS
汝矣島船着場の鳥瞰図=ソウル市提供(c)NEWSIS

【04月29日 KOREA WAVE】ソウル市が2030年までに1000万人が漢江(ハンガン)の水上を利用する時代を開くための総合計画を発表した。

オ・セフン(呉世勲)市長は24日、ソウル市庁本館で記者説明会を開き、「漢江水上活性化総合計画」を発表した。今回の総合計画は昨年3月に発表した「グレート漢江プロジェクト」の後続だ。

この計画は漢江を魅力と活力があふれる「2030リバーシティ、ソウル」として整備するための3大戦略、10の推進課題、26の細部事業からなる。総予算は5501億ウォン(1ウォン=約0.11円)だ。民間が3135億ウォンを投資し、市財政に2366億ウォンが投入される。

ソウルの主要住宅地とビジネスエリアを結ぶ公共交通機関であり観光手段である「漢江リバーバス」が導入される。1隻に199人が乗船可能だ。船舶の中に個別座席、カフェテリア、トイレなどが備えられる。10月から運行する。

リバーバスの導入に伴い、従来の水上タクシーは廃止される。その代わり、小規模需要適合型船舶が導入される。新たな船舶は漢江の夜景・夕日ツアー、船上の食事・イベントなど観光・遊覧コースを回る。

漢江の水位が上がっても安全であるように水上に浮かんでいる浮遊式施設として水上オフィスと水上ホテルが整備される。

漢江係留施設の計画=ソウル市提供(c)NEWSIS
漢江係留施設の計画=ソウル市提供(c)NEWSIS

水上オフィスとは、仕事をして休息も取れるように水上空間を活用した複合空間だ。水上ホテルは漢江水上に宿泊、余暇、コンベンションなどの機能を備えた宿泊施設だ。宿泊客を船で送迎したり、遊覧船ツアーなどを実施する。

漢江大橋の北端にある橋の上にある「織姫カフェ」が特徴の漢江とソウルの夜景を一望できるユニークな宿泊空間に改装される。今年下半期から運営する予定だ。織姫カフェの向かい側の牽牛カフェをはじめとする展望カフェ4カ所は、ソウルローカルブランドを運営する「ローカルブランドカフェ」に変身する。

新しく整備される水上フードゾーンは、漢江を眺めながら韓国料理をはじめとする世界の料理を味わいながら公演を鑑賞できる場所だ。約2400人を同時に収容し、15~20の販売スペースが設けられる。

日常生活に疲れた市民がさまざまな余暇活動を楽しめる施設となる。

ケーブル水上スキー場は、ボートにロープをつけた水上スキーとは違って、高い塔のように設置されたケーブルを活用して水上スキーに乗る施設だ。簡単な装備さえ装着すれば初心者でも乗れる。

団体会員だけが利用していたトゥクソム・ウィンドサーフィン場が、下半期からは一般市民に開放される。

水上複合施設も漢江のあちこちに建設される。

蚕室(チャムシル)に都心型マリーナ(ヨットや遊覧船を係留させたり保管する施設)が新たに整備される。蚕室マリーナは中・大型船舶が係留できる中規模以上の都心型マリーナだ。来年から蚕室漢江(チャムシル・ハンガン)公園で工事を始め、2026年に開場する計画だ。

ソウル港の鳥瞰図=ソウル市提供(c)NEWSIS
ソウル港の鳥瞰図=ソウル市提供(c)NEWSIS

漢江アートピアは船舶係留空間の他に浮遊式プール、屋上展望台、水上遊歩道など市民レジャー・休息空間が含まれ、四季を通じて文化・芸術・レジャーを楽しめる複合マリーナ施設だ。二村(イチョン)漢江公園に2026年オープンする。

ソウル水上レジャースポーツセンターは、水上69隻、陸上86隻を含め、計155隻を収容できる係留場と教育場、カフェ、休憩空間から成る複合マリーナだ。運営者選定後、6月から運営する予定だ。

汝矣島(ヨイド)~アラベッキル遊覧が活性化する。市は大型遊覧船が停泊できる船着き場を汝矣島に建設する。船着き場ができれば、汝矣島から京仁(キョンイン)アラベッキルを利用した船舶観光の機会が増えると期待される。船着き場は麻浦(マポ)大橋南端に10月までに建設される。

漢江(ハンガン)と西海(ソヘ)を結ぶ国内旅客ターミナルであるソウル港が汝矣島(ヨイド)に建設される。5000トン級以下の旅客船が停泊できる。ソウル港ができると、漢江から西海まで水路でつながる。麻浦大橋と元暁(ウオンヒョ)大橋の間の汝矣島漢江公園で今年から工事を始め、2026年下半期に開港する。

ソウル市は今回の総合計画に伴う効果が数千億ウォンに達すると推算した。市は年間6445億ウォンの生産波及効果、年間2811億ウォンの付加価値効果など、年間9256億ウォン規模の経済効果を期待している。約6800人の雇用も創出する計画だ。

市の関係者は「現在、漢江の水上は活用が不十分で、空いている空間と変わらない。水上利用の市民は年間90万人で漢江公園の利用客6900万人に比べて著しく少なく、漢江の船舶も極めて少数だけが運行されている。ソウルに登録されたプレジャーボートなどが3000隻以上であるにもかかわらず、係留施設は130隻分で絶対的に不足している」と計画推進背景を説明した。

オ市長は「これまで眺めるのに止まっていた漢江の水上が、これからは市民が日常的に享受できる空間として生まれ変わるだろう。漢江の水上を市民の日常生活の空間、余暇の中心地、成長の拠点にし、2030年までに1000万人の漢江水上利用時代を開き、増加する水上レジャー需要を満たすことはもちろん、多くの雇用と経済効果を創出しソウル成長の原動力にする」と明らかにした。

(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News