【6月5日 AFP】ジョー・バイデン(Joe Biden)米大統領は4日、不法移民の流入増に対処するため、メキシコとの国境の一時閉鎖を含む管理強化に向けた大統領令に署名した。11月の大統領選を控え、ドナルド・トランプ(Donald Trump)前大統領と対決する上で支持率の観点から弱点とされてきた移民問題で争点をつぶす狙いがある。

 大統領令の下、不法に越境してくる移民が1日当たり2500人を超えた段階で入国は制限される。制限は越境者数が同1500人を下回るまで維持される。昨年12月時点で、越境者数は同約1万人となっている。

 また、メキシコへの移民の送還手続きも簡便化される。大統領令は5日に発効する。

 今回の大統領令は、トランプ政権下で導入された、イスラム圏を対象とした入国制限措置と似ており、共和・民主両党サイドから批判されている。

 トランプ氏はSNS「トゥルース・ソーシャル」に投稿した動画で、「ジョー・バイデンはいまさらながら国境問題で何かやっている感を出そうとしている」と非難。

 一方、一部の人権団体は、管理強化を阻止するため訴訟を起こす構えを見せている。(c)AFP/Danny KEMP