【7月28日 AFP】27日に行われたパリ五輪のテニス男子シングルス1回戦で、マシュー・エブデン(Matthew Ebden、オーストラリア)をわずか53分で下した大会第1シードのノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)が、圧勝劇について、テニスにとって「良いイメージではない」と話し、直前での出場に関するルールの変更を求めた。

 36歳のエブデンはホルガー・ルーネ(Holger Rune、デンマーク)が負傷欠場したことを受け、直前でシングルス出場が決まった。しかし主戦場はダブルスで、シングルスには2年間出場していないこともあり、ジョコビッチに0-6、1-6で一蹴された。

 またこの日は、へんとう炎で欠場した世界ランキング1位のヤニック・シナー(Jannik Sinner、イタリア)に代わって出場した世界275位のハディ・ハビブ(Hady Habib、レバノン)も、全仏オープン(French Open 2024)とウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2024)王者のカルロス・アルカラス(Carlos Alcaraz、スペイン)に3-6、1-6で完敗した。

 これについてジョコビッチは「このルールは本当に理解できない」と話し、「誰かがシングルスで欠場したら、ダブルスの選手が呼び出されてシングルスに出場しなければならないのは、論理的ではない」と指摘。「正直に言って、このスポーツにとって良いイメージではない。ここへ来る時間がたっぷりあり、呼べたはずのシングルスの選手はたくさんいる」と述べ、国際テニス連盟(ITF)と五輪にルールの変更を呼びかけた。

 現在のITFの規則では、シングルスで欠場者が出た場合、ダブルスに出場している中でシングルスのランクが最も高い選手が代役を務める。シングルスのランキングを持つ選手がいない場合は、最もダブルスのランクが高い選手が代役になる。

 今回は他にアンディ・マレー(Andy Murray、英国)もシングルスを棄権したため、現在1196位のロビン・ハーセ(Robin Haase、オランダ)が出場することになっている。

 ジョコビッチに敗れたエブデンは、これが現役最後のシングルスの試合になると発言。「ノバクとはこれまで対戦機会がなかったが、奇跡のようなことが起こって、センターコートで彼と戦うチャンスがめぐってきた。シングルスから公式に引退するにはこれ以上ない形だ」と話した。(c)AFP/Dave JAMES