バチカン、パリ五輪開会式に「悲しみ」 一部演出が物議
発信地:バチカン市国
このニュースをシェア

【8月5日 AFP】一部の演出が物議を醸したパリ五輪の開会式について、ローマ教皇庁(バチカン)が3日、「特定の場面に悲しみを覚えた」と発表し、キリスト教徒への侮辱だと述べた。
7月26日に行われたパリ五輪の開会式では、ダンサーやドラァグクイーンがイエス・キリストの「最後の晩餐(Last Supper)」を思わせるポーズを取った場面があり、これが風刺だと指摘されている。大会主催者は、ギリシャ神話の酒の神「ディオニュソス(Dionysus)」を中心に多神教の一大パーティーが開かれている場面だと説明したが、批判は収まっていない。
バチカンはフランス語の声明で、「パリ五輪開会式の特定の場面に悲しみを覚えている。ここ数日、多くのキリスト教徒や他宗教の信者への侮辱だという遺憾の声が上がっているが、そこに加わることしかできない」と発表。「世界中が一つの価値観の下にまとまる権威ある行事では、多くの人の宗教的信念を嘲笑するようなことがあってはならない」と述べ、「表現の自由には、他者の尊重という制限がある」と続けた。(c)AFP