【8月15日 CNS】中国・山東省(Shandong)淄博市(Zibo)が串焼きで一躍有名になってから2度目の夏、観光市場は徐々に冷静さを取り戻している。8月14日、淄博の主要ホテルや民宿業者に取材したところ、今年の夏は宿泊市場が昨年ほどの盛況ではなく、一部のホテルの宿泊率は60パーセントから70パーセント程度にとどまり、主に省内からの観光客が多い状況だ。昨年のように北京市、上海市、広州市(Guangzhou)などの一線都市からの観光客が押し寄せる状況は見られなかった。しかし、「淄博串焼き」の人気は依然として高く、多くの店では昨年と同様に忙しい状態が続いており、ピーク時には行列が発生している。

■宿泊業界の現状

 淄博のホテルチェーンの宿泊率は昨年同期よりも低下しており、観光市場も徐々に冷静さを取り戻しているようだ。例えば、国家4A級景区である潭溪山(Tanxishan)観光リゾート内のホテルでは、週末の宿泊率が60%程度にとどまっている。特に、客の大半が省内から来ていることが特徴で、昨年のように北京や上海、広州といった大都市からの観光客が大勢押し寄せることはなかった。一方、民宿市場も同様に、昨年の「出現」した時期ほどの盛況ではない。例えば、7月13日から月末までは満室状態が続いたが、8月に入ってからは宿泊率が下がり始めている。

■バーベキューの人気は衰えず

 宿泊業者とは対照的に、淄博の串焼き店は依然として高い人気を維持している。夏休み期間中、店内は終日忙しく、ピーク時には行列が発生している。「煙火巷」などの有名串焼き店では、昼食時と夕食時のピークに待ち時間が発生し、多くの観光客が串焼きを楽しむために訪れている。特に、地元だけでなく、北京や天津市(Tianjin)、さらには海外からの観光客も少なくない。店によっては、海外からの観光客が全体の40パーセントを占めることもあるという。

■閑散季に向けた対策

 淄博の串焼き店や宿泊業者は、来店者や宿泊客の季節変動が大きいことを認識しており、特に秋冬の閑散期には対策が求められている。串焼き店では、秋冬には鍋料理や季節限定メニューを提供するなどして、客の興味を引き続き引きつけようとしている。また、宿泊業者もオンラインでの宣伝を強化し、さらに遊園地や人気の観光スポットを増やして、観光客を引きつける計画を立てている。これにより、年間を通じて安定した集客を図りたいとしている。

■将来への期待

 多くの業者が共同で努力し、淄博の文化観光の発展に期待を寄せている。串焼きや淄博の生活・文化を楽しむ観光客は依然として多く、今後もこの人気が続くことが予想される。特に、都市の「小さな楽しみ」を求める旅行者にとって、淄博は依然として魅力的な目的地であり続けるだろう。(c)CNS/JCM/AFPBB News