【8月26日 AFP】中国海警局は、南シナ海(South China Sea)で領有権を争う南沙諸島(スプラトリー諸島、Spratly Islands)のサビナ礁(Sabina Shoal)近くの海域で25日、海警局の船舶とフィリピン船が衝突した際にフィリピン側の「人員」が海に落ちたため、救助したと発表した。

 これに対しフィリピンは、中国側の主張には「全く根拠がない」と否定した。

 中国側は、フィリピン船が海警局の船に「故意に」衝突したと主張している。

 海警局の報道官は、フィリピン船がサビナ礁付近に「違法に停泊」していた別の船に物資を届けようとした際、中国側の「制御措置」に従わなかったことから、衝突が発生したと述べた。

 フィリピン側は、同国船は漁船に軽油や食料、医薬品を届ける人道的な任務に就いていたと説明。「(中国船の)プロ意識に欠ける、攻撃的かつ違法な行為により、フィリピン人乗組員と漁民の安全に深刻なリスクがもたらされた」とする一方、負傷者はいなかったとしている。

 フィリピン沿岸警備隊が公開した映像には、中国船が接近し、フィリピン船の舷側に衝突する様子が映っている。

 別の映像には、中国船がフィリピン船に数メートルの距離まで近づいて並走する様子が捉えられている。

 フィリピン当局によると、サビナ礁付近で中国側が敵対行動に出たのは今回が初めて。

 フィリピンは24日にも、自国の哨戒機1機に向けて中国側が2度にわたり照明弾を発射したと非難していた。(c)AFP