中国で初めてゴビグマを発見
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【9月3日 CNS】中国林業科学研究院(CAF)はこのほど、中国北西部の新疆ウイグル自治区(Xinjiang Uighur Autonomous Region)伊吾県(Yiwu)で、ゴビグマを初めて発見したと発表した。
同院は、中国におけるゴビグマの分布を確認するため、伊吾県とその周辺地域におけるゴビグマの個体数と生息地についてさらなる調査を提案している。また生息地の保護を強化し、絶滅危惧種のために国境を越えた共同保護活動を行うことを提言した。
CAFに属する森林生態・環境保護研究所(ENCI)の研究チームの話によると、伊吾県の林業・草原部門からゴビグマと思われる写真とビデオを受け取ったという。
モンゴル国(Mongolia)の「大ゴビ厳格保護ゾーンA(GGSPAA)」の管理者と研究機関のゴビグマ専門家による検証と形態学的識別を行った結果、やはりゴビグマであることが確認された。
同研究所は「ゴビグマはヒグマの亜種または個体群であり、ゴビ砂漠に生息する唯一のクマ種である」と紹介した。
ゴビグマは、モンゴル国の国宝として知られ、中国のジャイアントパンダと同じような地位にあり、同国の「保護ゾーンA」にも50頭余りしか残っておらず、絶滅の危機に瀕している種動物種だ。
モンゴル国の保護区に接する伊吾県に属す地域は、ゴビグマの生息地と自然条件が似ており、生存に適した環境である。生態系と野生動物の保護における地元の強力な努力で、伊吾県はゴビグマの移動のための重要な回廊となっているという。
世界的な気候変動で、モンゴル国のゴビグマの生存条件はますます厳しくなっている。生物多様性保護協力における「一帯一路(Belt and Road)」イニシアティブの典型的な事例として、ゴビグマの保護は2013年に「中国・モンゴル戦略的パートナーシップ」の中長期発展ガイドラインに盛り込まれた。
また、森林生態・環境保護研究所は18年8月から、中国商務部の「モンゴルにおけるゴビグマの技術支援プロジェクト」を請け負っている。(c)CNS/JCM/AFPBB News