【9月18日 Xinhua News】中国新疆ウイグル自治区カシュガル地区タシュクルガン・タジク自治県で15日、中国が独自に開発した衛星-地上(星地)レーザー通信地上システムを備えた地上局が完成し恒常的な運用を開始した。

 パミール高原のムスタグアタ山(標高7546メートル)区域にある標高4800メートルの峰の上に建設され、直径6メートルの白い「円球」の天井がゆっくり開くと、中にある口径500ミリの光学アンテナが精密な角度で宇宙に向き、衛星から伝送される貴重な探査データを高速で受信する。

 中国科学院空天信息創新研究院の李亜林(り・ありん)シニアエンジニアによると、現在中国の衛星データ受信はマイクロ波地上局に依存している。自国の衛星技術の急速な発展に伴い、衛星探査で生成されるデータ量は指数関数的に増加したが、莫大なデータをリアルタイムに伝送できないという課題がますます顕著になり、衛星データ資源の有効的な活用を著しく制限してきたという。

 レーザーを利用した通信技術は、情報伝送速度が最大でマイクロ波通信の千倍近くに達する。欧米や日本などの先進国では星地レーザー通信技術の開発が加速しており、通信ネットワークの構築を進めているという。中国の星地レーザー通信技術も飛躍的な発展を遂げており、一連の重要なコア技術の難題を解決してきた。同地上局の完成により、中国の星地レーザー通信技術の応用が一層促進される。

 同研究院の黄鵬(こう・ほう)研究員は「タシュクルガン・タジク自治県星地レーザー通信地上局の恒常的な運用は、わが国の次世代星地大量データ伝送システム計画や新世代衛星地上局ネットワーク構築に確かな基礎を築いた」と語った。

 中国は現在、国家星地レーザー通信地上局ネットワーク構築の計画と論証を進めている。西南、西北、東部の各地区に複数の星地レーザー通信地上局を建設することで、天候による悪影響をさらに克服し、星地レーザー通信の可用性を大幅に改善できるという。(c)Xinhua News/AFPBB News