石炭生産大省の山西省で「エネルギー革命」が急速に進行中
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【10⽉18⽇ Peopleʼs Daily】山西省(Shanxi)は中国の石炭生産大省で、石炭の確認埋蔵量は中国全国の23.3%の483億トン以上だ。石炭会社である山西華陽集団新能の第2鉱の調整指揮センターでは、従業員がマウスをクリックすると、深さ300メートル以上の坑内で採炭機のドラムが回転し、モニターに採炭、掘削、輸送などの状況が表示された。
第2鉱採炭第1班の薛彪(Xue Biao)班長は、「私は28年間、炭鉱労働者をしてきました。以前は人力で支柱や棚を設置して、1班で毎月5万トンの石炭しか掘れませんでした」「現在は全過程が機械化され、毎月30万トンを掘れます」と説明した。
山西省では計133か所のスマート化炭鉱が建設された。スマート化切羽は756か所で、2019年には68%だった全省の石炭先進生産能力の割合は2024年には82%に上昇した。
山西省は石炭採掘による環境問題に対処するために、充填採掘や保水採掘、石炭とガスの同時採掘などさまざまなグリーン採掘技術を使用したモデル炭鉱30か所を設けた。そのことで、ぼたの排出や地盤沈下、地下水系の被害などが減少した。
石炭のクリーン利用も進められている。山西瑞光熱電では、石炭が加工区に入る前に「診察」をする。石炭サンプルはロボットスマート化学検査システムに自動的に送られる。30個のサンプルを8時間かけて化学検査することで発熱量や化学成分などのデータを取得して、発電所での燃焼を最適化する。このシステムの稼働開始は昨年10月末で、年間で標準炭換算で約3000トンを節約し、二酸化炭素排出を7920トン削減することができる。
山西省はさらに、2021年から2023年までに、効率の悪い石炭火力発電ユニットを計245万キロワット分廃止し、現役のユニットでは6500万キロワット分以上を改造した。このことで、1キロワット時の電力量を得る際の石炭使用量が2020年比で12グラム減少した。
山西省での炭層ガスの年産量は中国全国の約8割で、100億立方メートルを超える。この炭層ガスを利用した水素エネルギー関連の売上高が2023年には500億元(約1兆500億円)を超えた。
エネルギーの貯蔵能力も拡大している。網寧蓄電発電所は指令により午後0時45分に充電を開始し、午後2時半に充電を完了した時点で28万キロワット時を蓄電していた。日没後の午後8時には風力が弱まったこともあり、網寧蓄電発電所は電力網への送電を始めた。山西省では7月現在、計16基の蓄電発電所が稼働しており、電力の調節能力は127万キロワットを超えた。
山西省では、省エネや排出削減の理念が日に日に人々の心に浸透している。新築建物のうちのグリーン建築物の割合とクリーン暖房の割合は、都市部でも農村部でも90%以上に達した。都市市街地の区部ではバスとタクシーのすべてが新エネルギー車になった。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News