【11月8日 Xinhua News】米コーヒーチェーン大手スターバックスは10月31日に発表した2024年9月通期(2023年10月2日~24年9月29日)決算で、中国本土の店舗数が7596店、出店する県級行政区が千近くに上ることを明らかにした。

 決算報告書によると、スタバの中国本土事業は長期的かつ着実な成長傾向を見せている。24年度第4四半期(7~9月)は中国本土店舗の純増数が290店、新たに進出した県級行政区は78県を数え、経営利益と利益率は前期比プラス成長を維持した。

 7~9月には河南省平頂山市、甘粛省酒泉市に出店した。新店舗の半数は中国本土の「三、四線」と呼ばれる地方中小都市に位置している。

 24年度を通年でみると、スタバ中国は年間出店計画に基づいて新たに790店を増やし、純増数は前年度比12・0%増え、過去最高を記録した。新たに進出した本土の県級行政区は166に上り、過去最多となった。

 今年後半に入り、中国コーヒー市場は変化が激しく、販促活動が頻繁に行われ、業界全体に大きな圧力がかかった。中国上海市文化クリエーティブ産業促進会が中心となって発表した「2024中国都市コーヒー発展報告」によると、23年以降、手頃な価格のコーヒーが全国の大・中小都市を席巻し、「三、四線」都市でブランド浸透が続いている。

 スタバ幹部は今年の早い段階で、「下沈市場」と呼ばれる中国本土の「三線」以下の都市や県、農村市場で新店舗の収益性が高いことを踏まえ、下沈市場、特に新たな県級都市への出店を拡大することが中国戦略の遂行を継続する上で重要な要素の一つだと明らかにしていた。

 スタバ中国法人の劉文娟(りゅう・ぶんえん)最高経営責任者(CEO)は「中国事業の発展は力強く、しかも強靭(きょうじん)さを備え、純収入、店舗の取引件数、営業利益、営業利益率などの重要な指標はいずれも前期比で大幅な伸びを実現した」と語った。

 食品業界アナリストの朱丹蓬(しゅ・たんぽう)氏は「中国本土には約2800の県級行政区がある。スタバがそのうち千近くで店舗を展開していることは、中国コーヒー市場の持続可能な発展に対する同社の自信を示している」と分析した。

 スタバは1999年に北京に中国1号店を構え、中国進出からすでに25年が経つ。

 劉氏は、長期主義的な発展に対するコミットメントを持続的かつ着実に実行するとし、「今後も初志を貫き、中国コーヒー産業の進歩と発展を促していく」と語った。(c)Xinhua News/AFPBB News