【11⽉26⽇ Peopleʼs Daily】中国の太陽光発電多結晶シリコン、シリコンウエハー、電池、モジュールの今年上半期の生産量は政府や業界の推計によると、いずれも前年同期比30%以上増加し、太陽光発電モジュールの輸出量は同20%近く増加した。

 今年上半期の全国の太陽光発電の新規設備は102.48ギガワットで、うち太陽光発電を目的にする大型施設の新規設備は49.6ギガワット、商工業業界では37.03ギガワット、家庭用は15.85ギガワットだった。

 中国では2000年から太陽光電池の生産量が急増した。しかし、2007年ごろに始まった世界金融危機は、当時は輸出が主力だった業界の発展にブレーキをかけた。一部の国が2010年以降に「反ダンピング」などを理由に対抗措置を打ち出したことも打撃だった。中国の関連企業は、国内市場を開拓し、重要技術を掌握することを「立ち直り」の重要な方向にした。

 中国太陽光発電業界協会の劉訳陽(Liu Yiyang)副秘書長は、「中国の太陽光発電企業は長年をかけて、多くの高効率電池技術の研究開発と応用を推進し、産業を大規模化しました」「ペロブスカイト太陽電池などの新型電池技術が登場し、一連の高効率電池技術も商業化に向かいつつあります」「2023年の電池セルの世界トップ10企業はいずれも中国企業で、生産能力は66%を占める681.2ギガワットに達しました」と説明した。

 白書「中国のエネルギーモデルチェンジ」によると、中国では風力発電と太陽光発電の全産業チェーンにおいて、研究開発、設計、統合製造の完備された体制が構築され、電池によるエネルギー変換効率では繰り返し世界記録を更新した。中国は10年前から常に科学技術革新に力を入れ、世界の風力発電と太陽光発電の大幅なコスト低減を力強く促進してきた。

 また、国際エネルギー機関(IEA)によると、2023年の中国の再生可能エネルギー新規設備規模は世界の他の地域の合計を上回った。

 現在は競争が激しく、一部地域への輸出が阻害され、市場の需給がやや不均衡になっているなどの問題に直面している。大手企業では技術改革への投資を拡大し、コスト削減や利益の確保を目指すことを選択した企業がある。一部の企業は新たな成長市場を求めて、世界戦略を転換した。協鑫能源科技(GCL Technology)、天合光能(Trina Solar)、晶科能源(Jinko Solar)などは今年に入ってから、中東地域で太陽光発電関連プロジェクトを展開することを次々と発表している。海外顧客に協力して太陽光発電産業チェーンの現地化を後押しするなどの形で、海外進出を加速する企業もある。

 協鑫科技の蘭天石(Lan Tianshi)最高経営責任者は、「どのような市場情勢に直面しても、イノベーションは企業の努力の重点です。科学技術力と自主イノベーション能力は常に企業の強みと競争力を維持する重要な要素であると信じます」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News