中国内モンゴル自治区で発見の恐竜化石、オビラプトロサウルス類の新種と判明
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【12月9日 Xinhua News】中国内モンゴル自治区アルシャー(阿拉善)盟アルシャー左旗で採集された前期白亜紀の恐竜標本がこのほど、オビラプトロサウルス類の新種「百年鴛鴦竜」として認定された。最新の研究成果は国際学術誌「Cretaceous Research(白亜紀研究)」に掲載された。
同研究は、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の徐星(じょ・せい)研究チームと内モンゴル自然博物館が協力して行った。
2021年夏に研究者が同左旗で毛児図・大水溝野外科学調査を実施した際、「百年鴛鴦竜」の化石を発見した。化石標本には、一緒に埋まっていた2個体が含まれており、うちホロタイプ(正基準標本)には、椎骨の一部、肋骨、肩帯の一部、前肢、比較的完全な腰帯、後肢の一部が含まれていた。アイソタイプ(副基準標本)には、不完全な頭部、腹側から露出した背椎の一部、仙椎、腰帯、後肢の一部が含まれていた。
同自治区自然資源庁副庁長の白慧君(はく・けいくん)氏によると、標本に2個体が含まれていたことから、夫婦仲のむつまじさを指す「鴛鴦(えんおう)の契り契り」のオシドリを連想させ、属名を「鴛鴦」とし、オビラプトロサウルス類命名100周年を記念して種名を「百年」としたという。
研究、対比の結果、「百年鴛鴦竜」は、これまで知られている他のオビラプトロサウルス類とは異なる形態学的特徴を持つ、比較的小型の新種だったことが明らかになった。体長は1メートルに満たず、長い後脚を持ち、機敏な小恐竜だったと考えられる。化石には、美しい胃石も保存されており、現在の多くの鳥類と同様、食物の消化を助けるため小石を飲み込んでいたことを裏付け、胃石は恐竜の生態、習性の理解に新たな証拠を提供した。
同研究所の郝明沢(かく・めいたく)博士は、オビラプトロサウルス類は、鳥類と関係が比較的近い獣脚類の恐竜で、体の構造と営巣行動が非常に独特だった指摘。同類の研究は、非鳥類型獣脚類が鳥類へ進化する過程と、中生代の恐竜の形態、生態の多様性を理解する上で重要な意義があると述べた。(c)Xinhua News/AFPBB News