【12月23日 Xinhua News】中国雲南省楚雄イ族自治州の禄豊市で採集された「王氏栗樹竜(Lishulong wangi)」の化石標本がこのほど、ジュラ紀前期の竜脚類恐竜の新属新種であると確認された。関連の研究成果は国際学術誌「PeerJ」に掲載された。

 同研究は、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の尤海魯(ゆう・かいろ)研究員のチームと禄豊市自然資源局が協力して行った。2007年に研究者が同市恐竜山鎮大栗樹村で野外科学調査をした際、「王氏栗樹竜」の化石を発見した。化石標本には、比較的完全な頭部の骨格および頸椎(けいつい)の骨9個が含まれていた。08年、修復と組み立てを終えた化石標本は「禄豊世界恐竜谷」博物館に送られ、現在まで展示されており、毎日多くの観光客が見学に訪れている。

 同市自然資源局恐竜化石保護研究センターの王濤(おう・とう)主任は、「発掘中に、標本の裏側半分は溝の中で雨水に流され、頭部と頸椎の骨の保存状態だけが比較的良かった。現存する化石標本からこの恐竜が生きていた時の体長は約8メートルと推測した」と述べた。

  同市でこれまでに発見されたジュラ紀前期の竜脚類恐竜は合計6属8種。長年の研究、対比の結果、「王氏栗樹竜」の形態学的特徴はこれまでに知られている竜脚類恐竜と類似しており、早期に分化した竜脚類に属することが明らかになった。

 尤氏は、「王氏栗樹竜」は同市で採集された恐竜化石の分類群の中で最大の頭骨(長さ約40センチ)を有すると指摘。同発見は、中国西南地域の恐竜をより多様にし、早期に分化した竜脚類恐竜の特徴の進化に対する理解を深めたと述べた。この新属新種の発見はジュラ紀前期の竜脚類恐竜が中国各地で急速に広がり、多様性を維持し続けたことを示しているという。(c)Xinhua News/AFPBB News