中国広東でアト秒レーザー施設が着工 原子内で電子のふるまいを観測
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【1月15日 CGTN Japanese】中国の国家重大科学技術インフラの一つである「先進的アト秒レーザー施設」の建設工事が10日、中国南部の広東省東莞市内で始まりました。アト秒とは、人類が現在のところ把握できる最小の時間単位で、1アト秒は100京分の1秒(10のマイナス18乗秒)です。
光は1秒間に30万キロ、すなわち地球赤道を7周半回る距離を進みます。しかし1アト秒の時間で光が進む距離は約0.3ナノメートルという原子の大きさに相当するだけで、電子が原子内で移動する距離でもあります。アト秒レーザー施設は「超々高速撮影機」として、動きが極めて速い電子の動く映像を捉え、それらの動きとそれによって決定される量子の特性、磁性の変化、化学反応、素材の相転移などの現象を記録するものです。
同プロジェクトでは、5年をかけてアト秒級の時間分解能力と高度な時空の位相一致の特徴を持つ総合的な超高速電子動力学研究施設を建設することにより、電子運動の追跡、測定、操作を行い、物質状態の変化の法則を深く探求する計画です。
同施設の建設は中国科学院が担当し、計10本のビームラインと22の応用端末が設置されます。(c)CGTN Japanese/AFPBB News