ドイツで車損壊事案頻発、ロシア関与の影 総選挙控え
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【2月6日 AFP】ドイツ検察は5日、車の排気管に建築用発泡剤を詰める器物損壊事案100件超について、捜査中であることを明らかにした。環境活動家によるものと広くみられていたが、23日の総選挙を控え、環境政党・緑の党をおとしめることを狙ったロシアの関与の可能性が浮上している。
ニュース週刊誌シュピーゲルが運営するサイトによると、標的となった車の窓には「もっとエコに!」とのメッセージと、笑顔のロベルト・ハーベック副首相(緑の党)が描かれたステッカーが張られていた。
同誌によれば、ある容疑者は警察に対し、ロシア人男性に車への損壊行為を依頼されたと供述。証拠として車の写真を求められ、1台につき100ユーロ(約1万6000円)の報酬を約束されたと話しているという。
検察など当局は、ロシアの関与を確認していない。ただ、同じく緑の党のアナレーナ・ベーアボック外相は、「クレムリン(ロシア大統領府)が長期にわたって、さまざまな方法で欧州の民主主義を不安定化させようとしてきた」ことの1事例だとの認識を示した。
シュピーゲルによると、ドイツ全土で270件以上の類似の行為が報告されている。同誌は、治安当局は「緑の党と、選挙戦で首相候補のハーベック氏に対する憎悪をあおる意図的なキャンペーン」と見なしていると報じている。(c)AFP/Jastinder KHERA