農村出身の年配男性が、地元の魅力を全国に発信=甘粛省
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【2⽉20⽇ Peopleʼs Daily】もうすぐ70歳に手が届く張以芳(Zhang Yifang)さん(以下、張さん)は、中国・甘粛省(Gansu)蘭州市(Lanzhou)永登県(Yongdeng)の青寺村の出身だ。4年前から地元政府の観光部門の支援も受け、映像業界で働く息子の張建宗(Zhang Jianzong)さんと100本以上のショートムービーを制作してきた。農村、畑、農家、さらに砂漠、草原、地層の露出面に至るまで、張さんは地元の特徴が際立つ場所に出向き、「甘粛の物語」を映像化して配信した。フォロワー数は130万人近くに達した。
2024年の春節(旧正月、Lunar New Year)の日、張さんは社火の会場にいた。社火とは年越しの際の行事で、高げたを着用した人の行列や龍舞や獅子舞が披露される。集まった人々の耳をどらや太鼓の音がつんざく。
張さんはこの社火では10本近くの動画を投稿した。といっても撮影側に回ったのではない。張さんは子供の頃から、毎年ほとんど欠かさず社火に参加してきた。今回は絹の扇子を振り、仮装した「軍団」を指揮してゆっくりと行進した。情熱を込めて郷土の伝統に溶け込んだ張さんは、まさに水を得た魚だった。投稿動画のうち1本は「いいね」が587万を超え、コメント数は101万を超えた。
張さんの作品には、張さんが普通の農民から武侠ドラマのヒーローになり、将軍になるものもある。身分が変化するのと同時に、舞台も絶えず替わり、農家の小さな庭や地層が露出する大地、水車博覧園、砂漠、草原などが出現する。張さんは数十秒ごとに「変身」し、多様なキャラクターが故郷の宣伝役を演じる。
張さんは甘粛省のさまざまな場所に出向いて特集動画を制作してきた。各地の文化財を紹介するシリーズもあれば、地元料理を紹介するシリーズもある。料理シリーズでは、甘粛省の数十種類の「ご当地グルメ」を紹介してきた。この2シリーズの動画再生数は4億6000万回を超えた。
注目を集めるようになった張さんは、地元住民にも多く出演してもらうようにした。張さんと古くから近所付き合いのある魯自禎(Lu Zizhen)さんは、「撮影に参加することで、私たちは演技を体験するだけでなく、多くの人に田舎暮らしを見せることができます。ネットユーザーに喜んでいただけているということは、私たちの古里づくりが肯定していただけているということです」と話した。
農村振興の全面推進により、人々の収入は増え余暇も増えた。張さんが制作する動画への出演は、人々の娯楽にもなった。現在では「常連出演者」が30人以上いるという。
永登県は2024年、ショートビデオクリエーターを支援する一方で、プレミアム観光ルート20本を設定し、各種テーマ展覧会、社会教育、全住民読書などの文化文芸活動200回以上を実施し、30人近くのショートビデオクリエーターの故郷の宣伝を支援した。永登県の文化体育ラジオテレビ観光局の李庭明(Li Tingming)局長は、「大衆が喜ぶ方法で故郷を宣伝し、文化、スポーツ、観光の価値をさらに掘り起こさねばなりません」と述べた。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News