【2⽉24⽇ Peopleʼs Daily】北京市内で2024年12月29日、CR450高速鉄道車両の試作車が公開された。試験運転時の最高時速は450キロで、営業運転では時速400キロになる見込みだ。

 CR450は新たに永久磁石同期電動機を採用することで、前世代のCR400より電力から運動エネルギーへの変換効率が3%以上向上した。さらに重要なことは、設計により高速運転中の空気抵抗を22%低減できたことだ。また、炭素繊維複合材料やマグネシウム合金などの素材を利用することで、従来型の車両より10%以上軽量化した。

 CR450は最高時速がCR400よりも50キロ向上したがエネルギー消費量は同じだ。CR450が8両編成で時速400キロ走行時に必要とする電力量は距離1キロ当たりわずか22~23キロワット時だ。

 高速車両の安全性の鍵の一つは停車までに進む距離だ。CR450は時速400キロで走行中でも停車までに進む距離は6500メートルだけだ。この距離は時速350キロで走行するCR400が停車するまでと同じだ。

 CR450では全編成に4000以上取り付けたセンサーが各種データを収集し、リアルタイムで自己感知、自己診断、自己決定を行う。CR450はさらに、画期的な低遅延信号伝送を採用し、リアルタイム伝送能力を10倍以上に向上させた。このことで、列車の各システム間の情報のやり取りが速くなり、制御の精度がさらに高まった。

 CR450では、乗客の乗り心地も十分に配慮されている。例えば車内の騒音レベルを2デシベル軽減することに成功した。この騒音は従来型の高速鉄道車両が時速350キロで走行している場合の水準だ。また、CR450では、従来型の高速車両では4.05メートルだった車高が3.85メートルに下げられた。しかし客室の天井の高さはこれまでと同じだ。

 CR450にはコンパートメントや多機能室も設けられた。中国国家鉄路集団(CR)機械車両技術課の任広強(Ren Guangqiang)副課長は、「私どもは、乗客の皆様に多様化、利便化、個性化されたサービスをご提供し、乗車体験をより良くすることに力を入れています」と説明した。

 CRが時速400キロの鉄道車両の研究を開始したのは2018年だった。2022年には技術条件が確定し、大量のシミュレーション計算や実験が始まった。CR科学技術情報化部設備技術課の李永恒(Li Yongheng)課長によると、20万キロ余りの走行試験で大量のデータが蓄積され、さらに1000件余りのシミュレーション、1000件余りの地上台車試験も実施された。中国はCR450の試作車を製造したことで、世界で初めて高速鉄道列車を時速400キロで営業運転するための標準体系を構築した。

 李課長は「CR450は中国の科学技術の革新とハイエンド製造の総合実力を示すものです」と述べた。CRの関係責任者によると、今後はCR450による走行試験と検証を実施して、営業運転への早期投入を目指す。(c)Peopleʼs Daily/AFPBB News