【2月20日 AFP】スウェーデン最高裁は19日、環境活動家のグレタ・トゥンベリさんら若者300人が政府に対し、「実現可能な」範囲で温室効果ガスの排出を削減するよう求めていた訴えを却下した。

訴えを起こしていたのは、積極的な気候変動対策を政府に求める若者グループ「オーロラ」を代表する個人1人で、約300人が参加する集団訴訟の形を取っている。「技術的かつ経済的に実現可能な」範囲で温暖化ガス排出削減に向け行動するよう政府に求めていた。

最高裁は、「本件を審理することはできないとの結論に至った」とし、理由として「裁判所が議会や政府に特定の行動を取るよう指示することはできない」点を挙げた。「スウェーデンが講じるべき具体的な気候変動対策は政治機関が決定する」とした。

ただし、組織ではなく個人グループによる「異なる形で設計された」訴訟であれば、裁判所で審理され得ると指摘。「欧州人権裁判所(仏東部ストラスブール)が最近、一定の要件を満たす組織は気候変動訴訟を提起する権利を有する可能性があるとの判断を下した」ことに言及している。

欧州人権裁は昨年4月、スイス政府が十分な気候変動対策を怠ったとの判断を示した。国際裁判所が、温暖化抑制策が不十分だとして国家の非を認定した初めての事例で、画期的なものと受け止められた。(c)AFP