アップル共同創業者ウォズニアック氏、米政治におけるビッグテックの「直接的な役割」批判
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【3月5日 AFP】米アップルの共同創業者スティーブ・ウォズニアック氏は4日、「ビッグテック」と呼ばれる米巨大IT企業が米国政治で「直接的な役割」を担うことを批判し、実業家のイーロン・マスク氏のような人物が政界で重用されすぎていると主張した。
初期のアップル製コンピューターを開発したウォズニアック氏は、アップルが同じく共同創業者のスティーブ・ジョブズ氏の下で大きな成功を収める前に同社を離れて以来、ビッグテックとは距離を置いてきた。
ウォズニアック氏はスペイン・バルセロナで開幕した世界最大のモバイル機器見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」で、「ビッグテックはどれもあまりにも巨大だ。まるで彼らが私たちの生活を支配しているかのようだ」と主張。
IT業界の長いロビー活動の歴史に言及し、「テクノロジー企業は巨大で、その価値も非常に高いため、ある程度政治に関与する必要がある」と認める一方で、「だが、IT業界で大成功したからといって、実際に直接的な役割を果たすことは、私は全く好きではない」と述べた。
ドナルド・トランプ米大統領が返り咲くと、ペイパルの共同創業者ピーター・ティール氏らビッグテックの複数の大物がトランプ氏に追従した。
だが、ウォズニアック氏はX(旧ツイッター)とテスラ、スペースXの最高経営責任者(CEO)であるイーロン・マスク氏を特に批判。
世界一の大富豪でもあるマスク氏はトランプ氏の側近で、連邦政府の活動を大幅に削減する政府効率化省(DOGE)を率いている。
ウォズニアック氏は「政治のスキルは、IT企業を成功させるためのスキルと大きく異なると思う。政府をビジネスのように運営するのは筋が通らない」と主張。
「ビジネスを営む時は、周囲を見回して落としどころを探し、交渉して妥協する」「(だが、)イーロン・マスク氏の場合はそうはならないと思う。すべてを捨てて新たに始めることはない」と続けた。(c)AFP