ロシアがクルスク州で防衛線突破、ウクライナ軍の退路狭まる 報道
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【3月8日 AFP】ウクライナが昨年8月に越境攻撃を仕掛け今も一部を占領しているロシア西部クルスク州で、ウクライナ軍は防衛線を突破され、退路も狭まりつつある。軍事ブロガーらが7日、伝えた。
ウクライナは1年以上にわたって前線の全域でじりじりと領土を奪われ続けているが、将来の和平交渉での交渉材料にできることを期待してクルスク州の一部を死守している。
ウクライナ軍と連携して戦局を追跡しているサイト「ディープステート」によると、ウクライナは今も占領している町スジャの南方で6日、ロシア軍に防衛線を突破された。
ウクライナは少なくともスジャにつながる道路1本の一部の支配権を喪失。ここ数日間にスベルドリコボ村の西側から部隊を撤退させた。
ウクライナ紙ウクライナ・プラウダは7日、同国軍内部の情報筋の話として、ロシア軍は補給路の遮断を試みており、ウクライナ側は「状況の安定化」に努めていると報じた。
防衛アナリストのヤン・マトベエフ氏は6日、ウクライナ軍は東西からロシア軍に圧迫され、いざという時の退路は狭い回廊1本しか残されていないとの見方を示した。
マトベエフ氏はテレグラムで、「回廊は幅12~13キロに狭まっている。残りのエリアでは、ウクライナ軍の占領地が狭過ぎて安全な場所を見つけることができない」と指摘。
「ウクライナ軍司令部は決断を下さなければならない。(越境攻撃)作戦を完了し、部隊を温存してクルスク州から撤退するか、(クルスク州で)踏ん張り、すべてを失うリスクを取るかだ」と続けた。
著名なウクライナ人活動家、セルヒー・ステルネンコ氏は6日、現地部隊からの情報だとして、「クルスク州の兵たん事情は急速に悪化しており、既に危機的状況にある」「スジャへの補給ルートは敵の完全な射撃統制下にある」とX(旧ツイッター)に投稿した。
ロシアの従軍記者アレクサンドル・コッツ氏は7日、「ウクライナはもはや痛みを伴わずに軍を退くことができない。遅過ぎた。彼ら(クルスク州駐留部隊)に補給さえできない」と述べた。(c)AFP