フランスの極右指導者、異例のイスラエル訪問へ
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【3月13日 AFP】フランスの極右政党「国民連合(RN)」のジョルダン・バルデラ党首が今月、反ユダヤ主義根絶をテーマとする会議に出席するため、イスラエルを訪問する。RN筋が12日、明らかにした。フランスの極右勢力がこの種の会議に招待されるのは初めて。
会議には、バルデラ氏と同じ欧州議会議員のマリオン・マレシャル氏も出席する。マレシャル氏はRNのマリーヌ・ルペン前党首のめいで、現在は別の極右政党に所属している。
バルデラ、マレシャル両氏はイスラエル政府の招待を受け、エルサレムで開催される同会議で今月26~27日に演説する予定。
バルデラ氏に近い筋はAFPに対し、「ジョルダン・バルデラは、(2023年)10月7日以降のフランス国内での反ユダヤ主義の高まりについて演説する」と述べ、仏紙フィガロの報道内容を認めた。
イスラム組織ハマスが2023年10月7日にイスラエルへの越境攻撃を主導して以来、RNは反ユダヤ主義に対する防壁というイメージ戦略を打ち出している。
RNの前身「国民戦線(FN)」の共同創設者で、ルペン氏の父親でもある故ジャンマリ・ルペン氏は、ナチス・ドイツがユダヤ人をガス室で虐殺したことを「第2次世界大戦史におけるささいな出来事」と呼ぶなど、反ユダヤ主義的な言動で知られた。
こうしたジャンマリ氏のイメージを断ち切り、党の支持率を上げるため、ルペン氏はRNに党名を変更した。
ルペン氏は現在、フランス議会でRN議員を率いており、2027年大統領選への再出馬に意欲を見せている。
イスラエル政府は招待状で、「この大規模な会議には世界中の政治指導者、国際機関、特使、著名人らが集まり、現代の反ユダヤ主義の世界的な脅威について協議・対応する」と説明。
イスラエルはバルデラ、マレシャル両氏については、自国が置かれている地政学的状況への理解を深めてもらうため、南北国境地帯への「特別訪問」も計画している。
フランスのエマニュエル・マクロン大統領は2023年11月、名指しすることなくRNを攻撃。「イスラム教徒の排除とユダヤ教徒への支持を混同し、ユダヤ教を信仰するフランス国民を支持すると主張している」と批判した。(c)AFP