【3月31日 AFP】ウクライナ・ブチャの正教会のアンドリー・ハラビン司祭は、町がロシアに占領され、数百人が射殺された3年前の悲劇に対して、正義が下されることを願っている。

しかし、戦争の早期終結を求めてドナルド・トランプ米大統領がロシア政府に接近していることから、司祭の正義に対する信念が今、試されている。ウクライナ市民の中には、ロシア当局者を裁判にかけることができなくなるのではないかと懸念を抱く人々もいる。

ロシア軍の占領下にあったブチャでは400人以上が殺害され、そのうちの116人は、仮埋葬地となっていた教会敷地内に埋められていた。

ハラビン司祭は慰霊碑の前に立ち、ウクライナ人が戦争の幕引きのチャンスを与えられずに紛争を終結させることがあってはならないと述べ、「正義が実現するまで傷は決して癒えない」と訴えた。

教会には、ロシアの戦争犯罪とされる民間人殺害を証明する写真が展示されていた。AFPのジャーナリストが撮影したものもあり、路上に横たわるブチャ市民の遺体も写真に捉えられていた。

■「トランプ政権も永遠ではない」

その中の1枚は、2022年3月初旬、ロシア軍の占領下で職場に自転車を返そうと家を出た直後に射殺されたウォロディミル・ブロフチェンコさんの遺体の写真だった。

ブロフチェンコさんと45年連れ添った妻のスベトラーナさんはAFPに、夫には危険を冒して外出しないよう止めようとしたが、夫は外出し、命を奪われたと語った。殺害されてから1年間、夫が奇跡的に戻ってくることを願っていたという。

その気持ちは薄れてきたが、夫を殺害した犯人に裁きを受けさせたいという気持ちは今も変わらない。

「何があっても、実現すると確信している。トランプ政権も永遠に続くわけではない」と語った。

さらに公開裁判を望んでおり、「何が、そして誰が戦争を引き起こし、どのように罰を受けたかをみんなに見てほしい」と述べ、戦争をしようという気を誰にも起こさせないようにしたいと続けた。