【4月10日 AFP】パナマを訪問中のピート・ヘグセス米国防長官は9日、戦略的に重要なパナマ運河の安全確保のため、米軍が再びパナマに駐留する構想に言及した。これに対しパナマ政府は、軍事基地の再設置には応じない考えを即座に表明した。

ヘグセス長官は、パナマのフランク・アブレゴ治安相との共同記者会見で、パナマ側が「招致」すれば、米国は軍事基地あるいは海軍航空基地を再び設置し、部隊をローテーションで配備することが可能だと提案した。

米軍は1989年にパナマへ侵攻し、以後1999年まで同国内に駐留していた経緯がある。

これに対しアブレゴ治安相は、「パナマは軍事基地や防衛拠点を受け入れないという立場を、ホセ・ラウル・ムリノ大統領を通じて明確にしている」と述べた。

ヘグセス長官はまた、米軍艦艇がパナマ運河を自由に通航できるよう、協定の締結を求めていることも明らかにした。しかしパナマのホセ・ラモン・イカサ運河担当相は、「艦船が各種サービスを受けられる補償制度の検討は行っているが、無料にはならない」と釘を刺した。(c)AFP