【4月22日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は21日、通信アプリの私的なグループチャットで軍事機密を漏洩したとして物議を醸しているピート・ヘグセス国防長官を擁護した。

トランプ氏は「彼はすばらしい仕事をしている」と述べ、ヘグセス氏の機密漏洩に関する報道を「ただのフェイクニュースだ」と一蹴した。

米紙ニューヨーク・タイムズは20日、ヘグセス氏が通信アプリ「シグナル」の私的なグループチャットを通じて、イエメンに対する空爆計画に関する機密情報を漏洩したと報じた。このチャットには、ヘグセス氏の妻、きょうだい、個人弁護士ら12人が含まれていたという。

3月にも米誌アトランティックが、トランプ政権の国家安全保障チームによる別のグループチャットに、同誌編集長が誤って加えられていたと報道。ヘグセス氏はこのグループチャットにも、イエメン攻撃に関する長文メッセージを投稿していた。

FOXニュースの共同司会者だったヘグセス氏は、高位の軍務経験も規模の大きい組織の運営経験も持たないにもかかわらず、トランプ氏によって国防長官に任命された。これら機密漏洩のスキャンダルと国防総省内部の混乱に関する報道は、ヘグセス氏にとって打撃となっている。

それに対しヘグセス氏はメディアを非難し、反論。「これがメディアのやり口だ。彼らは不満を持つ元職員から匿名の情報源を拾い上げ、人々を攻撃し、評判を傷つけようとする」が、「私には通用しない」とホワイトハウスで語った。

民主党議員からヘグセス氏の辞任を求める声が上がる中、米公共ラジオNPRはホワイトハウスがヘグセス氏に代わる国防長官の人選に着手したと報道。しかしホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官はX(旧ツイッター)への投稿で「完全なフェイクニュースだ。匿名の情報源1人に頼っているが、その人物は話されている内容をまったく理解していない」と批判した。(c)AFP/W.G. DUNLOP