中国山西省で西晋時代の家族墓地を大規模発掘 省内初
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【5月1日 Xinhua News】中国の山西省考古研究院は、同省臨汾市翼城県で2年近くにわたり、西晋時代の家族墓地の大規模発掘調査と研究を実施したと発表した。山西省で西晋時代の家族墓地が大規模に発掘されたのは初めてで、同時代の墓の形状や家族構成、社会状況を研究するための重要な資料となった。
墓地は同県上石村の西にあり、2023年に同研究院と臨汾市文物考古作業所、翼城県文物観光センターによる合同チームが、西晋墓26基と後漢墓1基を発掘した。
発掘プロジェクトの責任者、王京燕(おう・きょうえん)氏によると、西晋墓は2基がれんが造りの磚室墓(せんしつぼ)で、残りが土洞墓(どどうぼ)。墓の形状と方向は同じで、南北に整然と並んでいた。墓道は南側、墓室は北側にあり、墓室は多くが単室構造で、一部に側室を持つものもあった。副葬品は数量、種類ともに少なく、土器・陶器が中心で罐(かん)や碗、壺などが出土。青銅器には鐎斗(しょうと、鍋の一種)や銅環、装飾品などがあり、鉄器も少量見つかった。王氏は「これは家族墓地であり、規模は大きいが副葬品は種類と量が少ないという特徴がある」と述べた。
唯一の後漢墓は、長い傾斜墓道を持つ洞室墓で、平面プランは「甲」字形。前室と後室がつながり、天井はすべて崩落していた。後室のやや北側に二つのひつぎがあり、副葬品は施釉陶壷や陶罐、陶倉楼(穀物倉庫を模した陶製模型)、銅鏡、銅帯鉤(たいこう=帯どめの金具)、銅環、銅銭、鉄器などが出土した。(c)Xinhua News/AFPBB News