波乱の高麗仏像、再び日本へ…略奪から647年、わずか107日の里帰り
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【05月12日 KOREA WAVE】倭寇に略奪され、647年ぶりに韓国へ戻っていた忠清南道瑞山市の浮石寺「観世音菩薩坐像」が、再び日本へ送還された。韓国滞在はわずか107日間だった。仏像は10日、仁川国際空港に移送され、福岡を経由して12日に長崎県対馬市に送り返される。
浮石寺では10日、仏像が安置された説法殿で、信徒や関係者約100人が参加する中、仏像の送還に先立つ奉送法会が営まれた。法会当日は激しい風雨に見舞われ、厚い霞が立ち込める中、波乱に満ちた仏像の運命を象徴するような光景となった。
この仏像は高麗時代の1330年2月、浮石寺で32人によって鋳造されたとされる。48年間、浮石寺に安置されていたが、1378年に倭寇が700隻余りの船で襲来し、略奪された。
その後、1526年に対馬の観音寺が創建され、そこに本尊として安置されていた。1973年には長崎県の文化財に指定された。
2012年、文化財窃盗犯によって韓国に密輸入されたものの、売買の過程で警察に摘発され、仏像は押収された。浮石寺は「仏像は倭寇に略奪された文化財」だとして所有権を主張し、12年間にわたって訴訟を続けたが、大法院(最高裁)は2023年、取得時効を理由に対馬の観音寺側による所有権を認める判決を下した。
大法院は、浮石寺が所有者であると認定しながらも、取得時効が成立した時点の所在地である日本の民法を適用し、国際私法に基づいて日本側の主張を認めた。
判決後、浮石寺は「1日でもよいので本堂で仏像を安置したい」と日韓両国政府に要請し、今年1月24日、ついに仏像を迎えることが許された。
仏像は5月5日までの間、一般公開を兼ねた親見法会には4万人以上が参拝した。そのうち3万人は仏像の返還に反対する署名運動に参加したという。
(c)NEWSIS/KOREA WAVE/AFPBB News