【5月14日 AFP】イスラエルのヨアブ・キッシュ教育相は13日、建国時にパレスチナ人が故郷を追われた「ナクバ(大惨事)」を記念するイベントの開催を容認する大学を対象に、補助金支給を取り消すと警告した。

キッシュ氏はX(旧ツイッター)への投稿で、「学問の場は表現の自由に名を借りた扇動の場ではない」と指摘。エルサレムのヘブライ大学と、テルアビブ大学のキャンパスで関連イベントが行われたことを理由に、ベツァレル・スモトリッチ財務相に対し、両大学への補助金拠出の取り消しを求めたことを明らかにした。

スモトリッチ氏はこれを受け、「直ちに資金拠出を取り消すよう専門部局に指示する」と述べた。

これに対し、ヘブライ、テルアビブ両大学は、5月15日の「ナクバの日」関連行事への学生の参加を支持するとし、キッシュ氏の警告は違法だと反発。

テルアビブ大は声明で、キッシュ氏の脅しを「断固拒否する」と表明。法律の下、「ナクバの日に学生が主催するデモは国内のほとんどの大学で行われており、表現と抗議の自由によって擁護されている」と主張した。ヘブライ大も、「指示には法的根拠がない」と指摘している。

ナクバは、1948年のイスラエル建国に伴い推定70万人のパレスチナ人が故郷を追われた悲劇を指す。(c)AFP